＿64 ページ20
・
s side
気づけば、もう家の近く。
あの角を回れば、家ってところ。
「斗真、今日は本当にありがとう。
ふたりで遊びに行けて楽しかった！また行こうね。」
「こちらこそ。」
「今度は文化祭のグループのみんなで
行きたいなぁ。」
「それも、いいね。」
智くんに斗真に雅咲に和。
絶対楽しいと思うんだよねー。
「あ、」
「どしたの？」
徐に声を上げるから、何事かと思えば
「噂をしたらなんたら、だね。」
「え。」
斗真が向いた先、前方には
「智くん、」
と、しほちゃんがいた。
なんでこんな日に限って、会ってしまうのだろう。
家の前でばったりなんてさ、漫画みたいだよ。
ふたりはまだ私たちに気づいてない。
智くんの家の前でお話ししてて
このまま静かに通れば気づかれないかも。
「翔子ちゃん？」
隣では、斗真の声がして見上げると
電灯の光に照らされた彼がいた。
「どしたの、急に固まって。」
「ゃ、その」
「ん？」
「... 仲良いなぁ、って思ってさ」
心にないことばかりを口走ってしまう。
「そーかな、」
「え？」
「別に俺は2人が仲よさそうには
あんまり見えないけどな。」
「... どういうこと？」
斗真の言った言葉の意味が分からなかった。
ふたりが仲良く見えない？
あんないつも一緒にいて、距離だって近くて
現に今も楽しそうにお話ししてるのに。
「表面だけ見てても、それが真実だってことはないじゃん。友達だってそうでしょ？好きとか嫌いとかそういうのはごちゃまぜで、偽りの中に芽生える感情とか、本心じゃないこと言っちゃったりとか。表面で仲良く見えたって、本心はどう思っているかなんて、ほんとのところはふたりにしか分かんないもんだよ。」
つらつらと、言葉を並べて話す彼は
何処か悟ったように前を向いて、淀みない喋り。
真っ直ぐ前を向く姿に
確信ついたものを感じるのは、何故だろうか。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 545人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もふ(プロフ) - 花咲*さん» ありがとうございます！翔子ちゃんとしほちゃん、お互いに羨ましくて勝てないと思っているところもミソで。そうさせる智くんがどう動くかで決まる未来。これからの恋の行方を、一緒に見守っていただけたら嬉しく思います。どうぞよろしくお願いします。 (2020年4月28日 0時) (
レス) id: 7f28c40749 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - きよさん» ありがとうございます！これから揺れ動くそれぞれの心が形となっていきます。先に伝えた斗真とまだ素直になれない智くん。翔子ちゃんを幸せにできるのはどちらなのか。今後の展開を楽しみにしていただけたら、嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。 (2020年4月28日 0時) (レス) id: 7f28c40749 (このIDを非表示/違反報告)
花咲*(プロフ) - もふさん。更新ありがとございます。少しづつ動き出しましたね。可愛い翔子ちゃん早く幸せになってもらいたい。しほちゃんもなんだかかわいそう…智くんちゃんと自分の気持ちに素直になってもらいたい。 (2020年4月26日 10時) (レス) id: 7a9a23c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - もふさん、更新ありがとうございます。斗真くん告白できたんですね。切ないけれど言えてよかった。やっぱり問題は智くんですよね。しほちゃんの為にも素直に勇気をだしてもらいたいです。続きを楽しみにしています。 (2020年4月25日 8時) (レス) id: e294ac0748 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - きよさん» ありがとうございます！あんなに甘い言葉を送ったはずなのに、まだ幼馴染の壁を乗り越えられない智くん。もう、我慢も限界に近いはず。さてこれから、文化祭でどうなっていくのか、メイドの翔子ちゃんに幸あれ。で頑張っていきたいと思います！私自身もドキドキです笑 (2020年3月10日 23時) (レス) id: 7f28c40749 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もふ
| 作成日時：2018年9月15日 13時
