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藍沢side
黒田先生と話して気持ち的に楽になったもののまだ不安が完全に拭いきれたわけではない。
それでも必死に感情を抑えて平静を装っていたがこうして夜、ベッドに横になって一人で薄暗い病室にいると我慢していた感情が爆発しそうになって毎日苦しくなる。
日によって症状は異なるが酷い眩暈や動悸に襲われることは毎日の事だった。
それで毎日このまま自分は死ぬんじゃないかという恐怖に支配されて正気を失うことの恐ろしさから更なるパニックに陥る。
それでも助けを呼ぶことは出来なくて気づいたら朝になっている。
そんなことを考えているとまた突然酷い眩暈に襲われて意識が遠のいていく感覚に襲われた。
グラグラと揺れて逆さになる視界、その酷い眩暈によって吐き気まで誘発されて気分が悪い。
窒息感も感じる中、また芽生えるこのまま死ぬんじゃないかという負の感情。
助けて……
そう思ったと同時に勢いよく開いた扉。
薄暗い中うっすらと見えたのはあいつらの姿だった。
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白石side
今日は特に大きな事故は泣く比較的平和な日だった。
けど藍沢先生の抜けた穴は大きくてヘリの出動や白車の対応が少なくても藍沢先生がいないとかなり忙しい。
最近は今まで藍沢先生がどれだけ救命の戦力になってくれていて、働いてくれていたのかを全員が身を持って痛感している。
けど明後日、各科の今月の治療した症例数や入院患者の人数などを書類にまとめて提出しなければならない。
そのため、今日は夜の10時までは残業。
別に書類整理だしいつもの業務より全然楽。
緋山先生や藤川先生、冴島さんも一緒にすることになって医局に集まった。
夕食を済まして話しながら仕事に取り掛かったもののその話の話題は藍沢先生。
藤川「藍沢大丈夫だよな……?」
緋山「私に聞かないでよ」
冴島「今に状態では何とも言いにくいですけど……」
白石「腕はリハビリを続ければ大きな後遺症が残る確率はほぼないし、医者には復帰できるけど……復帰までは結構かかるかも」
藤川「腕はそうかもだけど……メンタルだよ。メンタル!あいつ何も言わねーだろ?大丈夫か?って聞いても絶対「あぁ」って返ってくるし」
冴島「この仕事終わったら、様子を見てから帰りましょう。寝てるかもしれないですけど」
緋山「そうね」
藤川「もし、起きてたら少し話して帰るか」
なんて会話をしながら書類を書き進めて終わったのは9時50分ごろ。
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明日香 - RULIさん» コメントありがとうございます!更新が中々出来ず、その上長くなってしまい申し訳ないです。ただてさえ長いのにまだ長くなりそうですが頑張って書いていきますので引き続きご愛読頂けると嬉しいです。 (2019年8月2日 7時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
RULI - リクエスト、受け取って下さり、ありがとうございます、とても面白いです!流石だなと、おもいました!頑張って下さい! (2019年8月1日 20時) (レス) id: 8fa7ebfbfe (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ハートさん» コメントありがとうございます。読者の皆さんの応援が励みになっています。これからもゆっくりかもしれませんが更新頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年7月24日 18時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
ハート - 最新頑張ってください。応援しております (2019年7月24日 13時) (レス) id: f31ae08eec (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ぱやさん» コメントありがとうございます。学生のため平日は忙しく中々更新が出来ないのですが主に土日や長期休みは頑張って更新したいと思っています。更新速度が遅いですが暖かく見守って応援して下さると嬉しいです! (2019年7月12日 22時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
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