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冴島side
藤川先生と一緒に赤タグ患者の治療をしていると藤川先生のシーバーが鳴った。
何事かと思っているとどうやら名取先生かららしく会話の内容までは聞き取れないため何の話だったのかは後から聞こう。
そう思って私は治療に専念していた。
でも中々会話は終わらなくてどうしたものかと考え出した時に会話が終わった。
「なんの話だったの?」私がそう聞く前に藤川先生がいつも話すときには絶対に見せないような真剣な顔で「藍沢が怪我したって……それもかなりひどいらしい」そう言った。
冴島「藍沢先生が?」
藤川「あぁ、あの名取が焦ってたから結構酷いと思う…」
藤川「とりあえずこの患者で治療最後だし搬送は救急に任せて藍沢のところに行こう」
冴島「そうね」
それから急ピッチで患者の処置を終わらせて搬送は救急に最寄りの病院に運んでもらうように頼みすぐに藍沢先生の元へと向かった。
名取「藤川先生!冴島さん!」
どこからか聞きなれた声がして振り向くとそこにいたのは名取先生。
名取先生に連れられて入ったのはある建物の部屋の中で……
そこにはいたるところから流血して完全に意識のない藍沢先生の姿だった。
藤川「藍沢!」
藤川先生が急いで駆け寄って声をかけるも、すでに意識がないため反応は返ってこない。
思っていたよりかなり状態の酷い藍沢先生を前に戸惑いながらもすぐに治療を開始した。
藤川先生をサポートしながら名取先生に何があったのか聞くと
名取先生の話ではこの部屋に取り残され、怪我をしている人がいると聞き、安全確認が済んでいる場所だと確認したうえで藍沢先生と共に治療に入った、とのことだった。
そこで地震が再び発生し色々なものが崩れ名取先生の頭上の天井が崩れてきたことに気づいた藍沢先生は自身の身を犠牲にして名取先生を守ったという。
藤川「藍沢…腕…かなりひどいな……」
その証拠のように藍沢先生の腕は名取先生を守った時に崩れてきた天井により傷つけられ手術が必要なほどの骨折をしていた。
藤川「流血が酷い……腕は手術だな……早く搬送しないと最悪切断だ…搬送急ごう」
冴島「……っわかりました」
今までたくさんの患者さんを診てきたけど手術と聞いて私は思わず息をのんだ。
すでに意識のない藍沢先生に「大丈夫だからな」そう何度も声を掛けながら処置を施す藤川先生。
それは自身に向けての言葉でもあるような気がしてならなかった。
その後、藍沢先生はなんとか搬送できる程度には回復し急いでヘリに乗り込んだ。
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明日香 - RULIさん» コメントありがとうございます!更新が中々出来ず、その上長くなってしまい申し訳ないです。ただてさえ長いのにまだ長くなりそうですが頑張って書いていきますので引き続きご愛読頂けると嬉しいです。 (2019年8月2日 7時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
RULI - リクエスト、受け取って下さり、ありがとうございます、とても面白いです!流石だなと、おもいました!頑張って下さい! (2019年8月1日 20時) (レス) id: 8fa7ebfbfe (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ハートさん» コメントありがとうございます。読者の皆さんの応援が励みになっています。これからもゆっくりかもしれませんが更新頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年7月24日 18時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
ハート - 最新頑張ってください。応援しております (2019年7月24日 13時) (レス) id: f31ae08eec (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ぱやさん» コメントありがとうございます。学生のため平日は忙しく中々更新が出来ないのですが主に土日や長期休みは頑張って更新したいと思っています。更新速度が遅いですが暖かく見守って応援して下さると嬉しいです! (2019年7月12日 22時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
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