7 ページ18
藍沢「……ん、…………」
時々顔をしかめて唸る藍沢。
その苦しそうな顔は見ているこっちまで辛くなる。
ったく……なに無理してんだよ……
少しくらい仕事、俺に振ってくれていいのに……
患者が亡くなったことも話してくれればよかったのに……
そんなことを考えているのはみんな同じみたいでいつの間にか病室が驚くほど静かになっていた。
藤川「ったく…なんでこう藍沢はいつも倒れるまで一人で抱えるんだろうな」
緋山「ほんとよ。昔からずっとこう」
横峯「私たちにも仕事振ってくれていいのに……」
名取「なんで、全部一人でやろうとするんだろうな」
心にとどめていたはずの言葉が口から出てしまってしばらくはみんなで藍沢に悪態をついていた。
でもそれは心配している思いの裏返し。
これが藍沢に伝わるといいけどな……
1週間後
新海「ダメだ」
藍沢「なぜだ？」
緋山「まだ体調が万全じゃないからでしょ？」
名取「きつい思いをすることになるのは藍沢先生なんです！」
藍沢「迷惑をかけるより増しだ」
新海「そういう、自分を犠牲にする考え方どうにかならないのか！？」
言い争っている理由は藍沢がやらないといけない書類整理があるといって仕事をしようとしたから。
藍沢自身、まだ頭痛と腹痛、吐き気は残っているのに倦怠感がないのをいいことに仕事をしようとする。
それを止めて名取先生がきつい思いをするのは藍沢自身だ、と言っても迷惑をかけるよりマシだなんていう。
1週間前の俺たちの言ったことはやはり寝ている藍沢には届かなかったのだろうか？
緋山「とりあえずダメ！」
藍沢「なぜだ？」
緋山「だから言ったでしょ？まだ体調が万全じゃないからって。何回も何回も同じこと言わせないでよ！」
新海「まだ頭痛も腹痛も吐き気もあるんだろ？」
横峯「1週間の間に3回吐血してるんですよ？胃潰瘍は悪化させたら大変なんですから」
名取「藍沢先生、医者なんですからわかりますよね？」
藍沢「………」
緋山先生、横峯先生、名取先生と俺の4人による説得で藍沢は終始不満そうだったが何とか仕事をさせるのを食い止めることができた。
のはいいものの毎日毎日不満そうな仏頂面で「仕事をさせろ」というオーラを醸し出してくる藍沢。
新海「そんな顔したらせっかくの整った顔が台無しだぞ？」
藍沢「どうでもいい」
新海「みんなお前の事心配してるんだ。だから今くらいゆっくり休め」
藍沢「俺は迷惑を掛ける方が嫌なんだ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 273人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明日香 - RULIさん» わかりました。コメントありがとうございます。なるべく希望に沿えるよう頑張って書かせていただきます。これからもよろしくお願いします！ (2019年5月28日 21時) (
レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
RULI - 遅くなってすみません。雪村先生がいいです！ (2019年5月25日 9時) (レス) id: 8fa7ebfbfe (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 愛美さん» 感想ありがとうございます！楽しんでいただけたなら嬉しいです。これからも更新頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2019年5月19日 18時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
愛美 - リクエストした藍沢先生が甘えるお話を書いてくださりありがとうございます！！読みながら想像して悶えてました笑 これからも楽しみにしてます！！ (2019年5月19日 16時) (レス) id: 9661795347 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - RULIさん» お返事ありがとうございます！黒田先生か白石先生ですね！頑張って書かせていただきます。誰かを庇うとのことでリクエストをいただいていたのですが、誰を庇うとか指定はありますか？ (2019年5月18日 21時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
