──恋愛も無気力みたいで──【国見英】

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待ちに待ったデート当日。

私は昨日買った服を来て、待ち合わせ場所にいた。

30分も早く来ちゃったけど…いいよね。

ずっと携帯のカメラ機能で身だしなみをチェックしていると、なんと国見くんが集合10分前に来た。



「お…おはよう、国見くん！」

「おはよ、早いね」

「ううん、国見くんこそ…もっと遅いかと思った」



笑いながらそう言うと、国見くんはムッとしたような顔をする。



「…普通は、彼氏が早く来るもんなんじゃないの？」



そうため息をつく国見くん。


国見くんの口から“彼氏”と出るのは嬉しかった。

無気力な国見くんが、私は彼女だと認めてくれる感じがするから。



「…じゃあ、行こう」



国見くんはそう言って歩き始める。
やっぱり手は繋いでくれなかったけど、わがままは言わない。

デートに行けるだけでも…幸せだ。


しばらくして遊園地に着くと、国見くんが割引券を出す。



「これ」

「…割引券？どうしたの、これ」

「花巻さんから貰った」



花巻さん…！？

もしかして、私のために国見くんに渡してくれたのだろうか？
見かけによらず、めちゃくちゃ優しい。

今度お礼言っとこ。



「そうなんだ、ありがとう」

「…花巻さんが、休みくらい彼女と遊びに行ってやれって言ってたから。
…なんか、全然遊んであげれなくてごめん」

「う、ううん…大丈夫」



そういう風に謝る国見くんは、少し寂しそうで…
なんだか、ちょっと気を使わせてしまったかもしれない。



「そ…それより、早く行こう！私、ジェットコースターに乗りたかったんだ」

「…！うん、そうだね」



私はおいでと国見くんを手招き、ジェットコースターの最後列に並んだ。

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