──恋愛も無気力みたいで──【国見英】

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［国見 英side］


なんだか、二口がさっきから元気がない。

お化け屋敷に連れてったのが悪いのかな？
つまらなそうだし…

連れてきたのは、失敗だったかもしれない。


だから、花巻さんあんなことしなくてよかったのに……

やっぱり、俺にはこういうの無理なんだ。



「…二口、これ食べたらもう帰る？」

「……え？」



ぼーっとしていたのか、ワンテンポ遅れて反応する二口。

その表情は目を見開いて驚いている。



「な、なんで…？まだ全然時間経ってないよ？」

「…でも、二口……つまらなかったのかなって思って」



そう言うと、二口は大声で「そんなことない！」と俺にぐっと近づく。



「私、嬉しかったよ。国見くんが誘ってくれて。
ただ、その…私がちょっと元気ないのは…」

「…うん」



二口は恥ずかしそうにし、なかなか言おうとしない。

顔を近づけ二口を見つめると、「笑わない？」と聞くもんだから頷いた。



「……私、国見くんと釣り合ってないって思って、その…」

「…は？」

「だ、だって！私と国見くんカップルに見えないじゃん！国見くんは、かっこいいけど…私はほら…」



なんだ、そんなことか。


俺は少し安心して深くため息をつく。
そして、二口のほっぺを軽くつまんで言った。



「そんなの関係ないから。それに、二口はもっと自分に自信もっていいと思う。俺はそんな理由で別れるとか絶対ないから」

「…ほんと？」

「本当。二口のことが好きで付き合ってるの」



そう言うと、二口は涙をぼろぼろ流し始めた。
その涙を抜ぐい、俺は抱きしめる。



「…だから、そんなこと言わないでよ」

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