とある美少女は性悪でした。【烏野】

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仁花ちゃんが無事入部してから数日後。

いよいよ初の合宿だ。

東京ということもあってか今日の私のテンションは少し高め。


だが……やってしまった。

いや、やってしまったって私がやったわけではないんだけどさ。

…ほら、あの1年のバカコンビ。

あいつら、仁花ちゃんに教えてもらったのにも関わらず赤点を取りやがって！

日向と影山がいなくてどうするんだよ！



「はぁ……」



思わずため息をつくと、後ろからどん、と背中を押される。

誰だと振り返ると、そこには月島がいた。



「つ、つきし──」

「そんな所に突っ立てないでさっさと歩いてくれる？
邪魔なんだけど」



…は？

別にお前が避けて歩けばいい話だろうが！
このクソメガネが……


何か言ってやろうと思ったけど、やっぱやめた。

実は、あの事件以来全く月島とは話していない。

というよりは、お互い避けあっているのだ。


本当は仲直りしなきゃいけない、という気持ちがあるのに……

どうしても、毎回毎回ムカつく言葉を聞くとなかなか言い出せない。


…合宿中には、どうにか仲直りできるといいんだけど。

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