♯ ページ45
.
山田のことは全て知っていると思っていた。
だけど今聞かされた虐待の内容は、初めて聞くものばかりで。
母親とは比べ物にならないくらい、酷い行為を山田は受けていた。
伊「………下手すりゃ死んでただろ……」
涼「はは、運が良かったみたい…」
力なく笑った山田は、震える手を抱き込んだ。
涼「…思い出すだけで震えるの。怖くて、怖くて…正直、言葉にするのも辛い。
みんなに迷惑かけるからとかは考えてなくて……ただただ、怖くて言えなかった…」
玄関を出て、真っ直ぐ待ち合わせ場所に向かう予定だった。だけど玄関から動く事が出来なかった。
「大丈夫」というおまじないも全く効かなくて、
恐怖でいっぱいだった。
だから今こうして話しているのもキツいんだと、
少し息を切らせて言う山田の顔は真っ青で。
抱き込んでいる手だけじゃなく体も震えていた。
伊「……やまだ、」
涼「助けてとか言わない、これは俺の心の問題だから。
…だけど…だけど、ずっと傍にいてほしい。
みんなが居れば安心できるから」
いる。ずっといる。
傍にいるに決まってるじゃんか。
山田の心が落ち着く居場所に、俺たちがなる。
床に散らばったままのお金を全て拾い集めて山田の手に戻す。
伊「これは山田の頑張った証だから。誰にも渡しちゃダメだよ。山田が使いたいって思った時に取っておかなくちゃ」
涼「…うん」
伊「お金で愛情は買えない。
これを山田のお父さんに渡したところで、また同じ事が繰り返される。山田はちゃんとそれに気づいた。偉いよ。
楽しいことに使おう。思い出に変えよう。
これで時間と思い出を買えるなら、最高じゃん？」
髪が崩れるくらいに頭を撫でれば少し鬱陶しそうに払い除けられた。
それでも、口元はほんの少しだけ口角が上がった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 629人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アイノア・リカ(プロフ) - ききさん» 良かったです！！！是非是非宜しくお願いします！！！ (2021年8月18日 22時) (
レス) id: 53f4eb9b9d (このIDを非表示/違反報告)
きき - アイノア・リカさん» 見つかりました！ボツ集楽しく読ませていただきます！！ (2021年8月16日 8時) (レス) id: 52c4297a9f (このIDを非表示/違反報告)
アイノア・リカ(プロフ) - ゆりさん» フォローありがとうございます！元々無い語彙力がさらに低下してる没ネタ投稿ですが、是非お暇な時読んで頂けると幸いです！ (2021年8月15日 17時) (レス) id: 53f4eb9b9d (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - リカさんフォロー出来ました！Twitterの方では、ちょこちゃんと申します(^^)何度も聞いてしまい申し訳ありません。フォローさせていただきました。よろしくお願いいたします。 (2021年8月15日 17時) (レス) id: 3b937903f4 (このIDを非表示/違反報告)
アイノア・リカ(プロフ) - ゆりさん» ID打ち込んだ後キーボードの『開く』を押す前に『@_Rika012_05さんを表示』と出てくる筈です…！説明が拙くて申し訳ないですがやってみてください…！(＞人＜;) (2021年8月15日 17時) (レス) id: 53f4eb9b9d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アイノア・リカ
| 作成日時：2021年6月5日 10時
