♯ ページ43
電気を点けてみようか、そう考えた時。
静かにドアが開いた。
伊「…山田？」
暗闇に慣れた目が山田の姿をしっかりと捉えた。
寝る時に着ていたスウェットと、厚手のジャケット。
もう一度名前を呼ぶと、俺のベッドの前まで歩いて来た。
山田の体に纏っていた冷気がこっちに移ってきて、身震いする。
冷た…まさかずっと外にいた？
部屋の電気を点けると山田の青白い顔がはっきりと見えた。
ベッドに座り直した俺と、その前の床に座った山田。
ブランケットいるか？と聞くと微かに首が横に動く。
聞いて断られたところだけど、そんな青白い顔でいられてもってことなんで。ブランケットを背中に掛けたが、特に何も言われることは無かった。
伊「どうした？」
涼「…」
山田は何も言わずに頭を俺の膝の上に置いた。
涼「……きいて、」
伊「ん？」
涼「いつでも、いいって…、言ったぁ…っ」
鼻を啜る音が聞こえて、膝がじんわりと温かくなった。
涼「だい、丈夫じゃっ、ないの…、もう、いっぱいいっぱいっにな、なってる…ｯ」
顔を上げた山田の顔は涙でぐしゃぐしゃで。
大丈夫じゃないことは丸わかりだった。
山田はジャケットのポケットに手を突っ込んで、あるものを俺の胸に押し付けた。
手が離れると一枚一枚落ちていく。
床に散らばる紙の束。
伊「…………これ。こんなに沢山のお金、どうしたの？」
過呼吸のように嗚咽を漏らす山田。
喋れる様子ではないのに思わず聞いてしまった。
おいでと言うと素直にベッドの上に上がって来て。
布団で包んで抱きしめる。
涙は全て俺のスウェットが吸収している。
さっきまで寝ていた布団の中は暖かくて。
冷たかった山田の体が温くなっていく。
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アイノア・リカ(プロフ) - ききさん» 良かったです！！！是非是非宜しくお願いします！！！ (2021年8月18日 22時) (
レス) id: 53f4eb9b9d (このIDを非表示/違反報告)
きき - アイノア・リカさん» 見つかりました！ボツ集楽しく読ませていただきます！！ (2021年8月16日 8時) (レス) id: 52c4297a9f (このIDを非表示/違反報告)
アイノア・リカ(プロフ) - ゆりさん» フォローありがとうございます！元々無い語彙力がさらに低下してる没ネタ投稿ですが、是非お暇な時読んで頂けると幸いです！ (2021年8月15日 17時) (レス) id: 53f4eb9b9d (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - リカさんフォロー出来ました！Twitterの方では、ちょこちゃんと申します(^^)何度も聞いてしまい申し訳ありません。フォローさせていただきました。よろしくお願いいたします。 (2021年8月15日 17時) (レス) id: 3b937903f4 (このIDを非表示/違反報告)
アイノア・リカ(プロフ) - ゆりさん» ID打ち込んだ後キーボードの『開く』を押す前に『@_Rika012_05さんを表示』と出てくる筈です…！説明が拙くて申し訳ないですがやってみてください…！(＞人＜;) (2021年8月15日 17時) (レス) id: 53f4eb9b9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アイノア・リカ
| 作成日時：2021年6月5日 10時
