遅咲きの恋 (ページ16)

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好きになったのは、必然で。

別に男だからダメ、とか
メンバー同士だからダメ、だとか

そういうのは全く俺の中ではなくて
ごく自然に彼を好きになっていた。

近づけば近づくほど、気持ちは大きくなっていって
気づけば、後戻りできないところまで来ていた。

今更、後戻りなんてしないけど
ただ好きでいるのは、難しい。

一筋縄ではいかない場面が沢山あるから
なかなか前に進めないのが現状で。

「ね、翔くん。」

「なに？」

最近、よく話しかけてくれる大野さん。

彼に名前を呼ばれるたびに跳ねる心は
誰も気づかないだろうな。

「今日さ、買い物付き合ってくれない？」

「買い物？」

「そう、ちょっと気になるものがあってさ。」

「そうなの？いいよ。」

大野さんが気になるもの。

それがなんだか知りたい、
そんな騒ぐ気持ちを抑えて返事をする。

「ほんと？よかった～、
翔くんと行かないと意味がないんだよね。」

「え、俺と？」

「そう。翔くんとじゃなきゃ。」

そう言って、笑う彼はなんだかご機嫌で。
何かいいことがあったのかな？

「なに、気になるな～。」

「ふふ、行ってからのお楽しみね。」

「わかった。」

キラキラと眩しい笑顔がかっこよくて
彼からの仕事終わりのお誘いに胸を躍らせた。

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