和くんのやきもち【最後の恋は貴女と・番外編】

★31 ページ29

・





やっと一日が終わって自宅に帰り着く


もう10時近い


1人だと、ご飯を作る気にもならなくて、
コンビニでお弁当買ってきた

．


こんな時、本当にさみしくなる


あれから、LINEないし

和、どうしてるかなぁ

和が来てくれたらなぁ

．



そう思いながらリビングに入って、
ソファーの上のカズくんを見たら


．



え？


うそっ…

．


カズくんが
小さなブーケを抱いていた



なにこれ？どうしたの？


もしかして、和？


和が、仕事に行く前に買ってきたの？


だって、今朝までなかったもの

．


そう言えば

″カズくんに伝言残したから聞いてみて下さいね。″

そう言ってたよね


．

慌ててカズくんのポケットをさぐったら、
ポケットの中から紙切れが出てきた

．



そこには


″まあ、たまたまなんだけどね。今日は、2人が出会った日みたいです。なんか急に思い出しちゃったから、プレゼントなんぞしてみました。朝だから、お花しか買えませんでしたけどね。次の記念日には、もう少しましなものにしましょうかね″


そう書かれてあった


．


和…

そんなの覚えてたんだ

．



私は覚えてたけど、
和はそんなの興味ないだろうし、
覚えてないと思ってた


こんなことするような人じゃないし、
言っても仕方ないから…

そう思ってた

．


突然のことにびっくりしちゃって、どうしていいかわからなくて、でも次第に嬉しさがこみ上げてきて、ブーケをみつめて暫くの間床に座りこんでた

．



．



．





♪〜
LINEの通知


．

『見た？』



「うん」



『他は見た？』


「え、ほか？」


『そう。見てないの？』


「見てない。」


『じゃあ、色々見て探してね』


「え？なにを？」


『とにかく見ればわかるから』




『じゃ、仕事戻る』

．



．



「かずちょっとまってそれじゃあわからないよ。」



慌てて書いた、最後のひらがなだらけの私の書き込みは、既読にはならなかった




・

☆32 ↑ up (9/26)→←☆30

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す