和くんのやきもち【最後の恋は貴女と・番外編】

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俺に差し出して見せたぬいぐるみを、
思いっきりぎゅーって抱きしめているAに、


『そのぬいぐるみ、どうしたの？。前にはなかったよね。自分で買ったの？。俺さ、最近それ仕事で見たんだよね。』

そう聞いてみた



多分、これと同じぬいぐるみ、
翔ちゃんがこの前現場から貰って持って帰ってたんだよなー


あんとき俺ら、翔ちゃんが彼女にあげるんだと思って冷やかしたんだよね


まさかね、それじゃないですよね？

．


そうしたらAは、

「翔くんに貰ったの。」

ちょっと恥ずかしそうにして答えた。



『え？。翔ちゃんに？。何で？。』


やっぱりそうなんだ


でも、なんで？
まさか、さっき話してたの翔ちゃん？

なわけ…ないよね…



．


Aは、ちょっとバツ悪そうな顔で、


「正確に言うと、翔くんの彼女の ヒロミに貰ったの。」




『 ヒロミちゃん？。』


「うん。前にね、 ヒロミんちで2人でご飯食べてたら、急に仕事が早く終わったからって翔くんが来たの。翔くんも忙しい人だから、なかなか二人は会えないじゃない。だから、お邪魔な私は帰る事にしたの。」




『それが、こいつと何の関係があるの？。』


「こいつじゃないもん。この子、シェリーメイって言うんだよ。うちでは…カズくんって呼んでるけど…。」



最後のカズのくだりは、消えそうに小さな声で呟いてた。

この人、マジでこのぬいぐるみ、カズって名付けてるんだ…


．


えーっと、それって…
もしかして、俺のせい…？



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