灰と赤、それから金【HQ】 (ページ8)

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入学式ページ8

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「なるほど……。わかりました。もう入学式の時間ですし、仕方がないので今いる皆さんだけで並んでもらいます」

　灰崎の家に連絡して、途中からでも参加してもらうそうだ。

　え、アイツ校長のつまらん話の最中とかに一人で入場してくるかもしれんってこと？うけんね。

* * *

　灰崎のいない入学式が始まった。今入場の進行してまする。

　おや、薄暗くてよく見えんが、ギャラリーからマコちゃんと傑くん、とバレー部？の皆さんが会場を眺めてる。あっ、目が合った。手ぇ振っとこ。

「新入生の皆様、ご着席ください」

　こういうのって出席番号順で座るもんだけど、俺は一番端に座った。なぜなら来るかもしれない初日遅刻野郎灰崎祥吾くんを迎えるためである。てっちゃんは置いていった。

　相も変わらず校長や来賓のどうでもいい長ったらしい話を聞き流しながら、あたりを見回す。列は男子と女子とで別れているので、1番端にいる俺は必然的に視界は男子のみ。むさい。

　お、前方に紫髪はっけん。アイツ紫原だろ、絶対。背ぇ高いからわかりやすいな。

　赤司と黄瀬と青峰、それから緑間は位置的に見えん。移動のときに探そう。

　やべ、まじ寝そう。傑くんにバレたらヤバいから寝ちゃダメなんだが、もう眠すぎすわ。つか灰崎早く来いや、俺の話し相手になれ。

　お？なんか靴音が聞こえて……。

　灰崎ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!

　先生にこそこそと連れてこられた灰崎が俺の横に座る。コイツすげえ、初日からネクタイつけねぇぞ。

「おい、お前ネクタイは？」

「あ？んなのどっかいったわ。つーか誰だテメェ」

「俺は金城Aだ。気軽にAって呼べよな。お前は？」

「灰崎祥吾」

「おk、祥吾な。祥吾は部活何か入る予定あんの？」

「いやまだ……。てかお前話しかけてきすぎ」

「ええやん。どーせ入学式なんてつまんねーだろ。寝るより喋る方がマシだわ」

「……それもそーか」

「おん」

「そんで、お前は？部活」

「俺バレー部。祥吾も一緒にやろうぜ」

「バレーかよ。やったことねぇし」

「やったことなくても別に構わねぇって。なんなら俺教えるし。祥吾ならヒョロくないし身長もあるからすぐに出来るようになるよ」

「んー。……ま、何やるか決めてなかったし、暇つぶしにはなるか」

「ちょっとでも面白味を感じられなかったら辞めればいいしな」

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