灰と赤、それから金【HQ】 (ページ15)

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バレー部へGO ページ15

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「ふぃ〜。あとは祥吾か。なんか思いついた？」

「いーや。さっぱり」

「別に初心者だからって特別なこと書かなくてもいいんじゃない？」

「カルマさん、と言いますと？」

「Aが書いたことを使ってさ、“バレーボールを通じて心身の健康を向上させ、仲間との友情を育む”とか“私はバレーボールに興味関心があります”とかだけでもそれっぽくなるでしょ」

「たしかに！！」

「おお〜」

　カルマってばやるやん。見てよ、祥吾の筆が進む進む……って字ぃ汚いな。

「おっしゃ出来た！」

「これでみんな完成だ！ようやくバレーできる！」

「カルマ、くん？だっけ？ありがとな」

「どういたしまして〜」

　祥吾ちゃんとお礼言えて偉い。そして笑顔が眩しい。君はただの不良ではなかったんだね。Aさん嬉しいよ。

「よぉし！体育館までレッツラゴー！」

　みんなから貸したペンをさささっと回収すると、俺は教室を飛び出した。俺は！もう！待ちきれねぇんだ！！

「あっ！？ちょっ、待ってA！」

「Aはせっかちだねー」

「体育館ってどこだ？」

　そして3人が俺の後に続く。うるせぇカルマ、俺は入部するヤツらの中でも一番乗りじゃなきゃ気がすまねぇんだよ！！

　あ、祥吾、体育館は第4体育館だと思う。第1〜第3はバスケ部のものだし。バレー部は第4だけだぞ。マコちゃんが言ってた。マジでバスケ部の人数エグいね。三軍まであるんでしょ？

　まあ、ほら。バレー部は少数精鋭だからさ！

* * *

　ついに俺らはバレー部が活動している体育館までたどり着いた。いや、この学校広すぎね？

「第4体育館とはいえデカイな……」

「オレの小学校にあった唯一の体育館が負けるサイズ」

「これが帝光クォリティ！」

「中学校なんてそんなもんだろ」

「そこは乗ろうよ灰崎くん」

　くだらねぇこと言ってねーで、さっさと入るか。どんな感じで入ろう。

「たのもーって言う？勢いよく」

「さすがにそれはナイっしょ」

「普通に失礼しますでいいんじゃない？」

「それじゃおもんないだろ」

「面白さいらねーだろ」

「うーん」

　インパクトは欲しいよなぁ。私が来た！みたいなさ。

「何してんの？君たち」

　うんうん唸ってると体育館の扉が開いて、先輩？に話しかけられた。しまった。インパクトどころじゃかくなった。

＊