灰と赤、それから金【HQ】 (ページ2)

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マコちゃんと傑くんページ2

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　春、私立帝光中学校の入学式の日。

「うおー、入学式とかだる……ん？」

　家から出たすぐ先のところで、同じ小学校出身の一個上の先輩にあたるマコちゃんこと花宮真と傑くんこと夏油傑が肩を並べて歩いていた。

　なんだかんだ言ってあいつら仲良いんだよなぁ……。

「マコちゃんと傑くん、おはざーす！」

「ぅお」

　あ、マコちゃんびくってなった。うける。

「おはよう、A」

「おはようA君。真”先輩”ね」

　俺に驚かされたからかマコちゃんが怒ってらいっしゃる。優しい口調と優しい笑顔のときは怒ってる証拠だ。俺知ってる。というかいつも挨拶返してくれないし。

　それに比べて傑くんは紳士だよね。挨拶だって返してくれるしさ。

「そんでマコちゃんと傑くんはさ」

「先輩」

「マコちゃんパイセンと」

「先輩」

「マコちゃん先輩(笑)と」

「先輩」

「真、もう諦めよう」

「……チッ」

　あ、諦めてくれた？

「マコちゃんと傑くんはさ、なんでこんな朝早いわけ？たしか役員以外の二、三年って入学式の後登校でしょ」

「ああ、部活の準備があるからね」

「え、入学式の日も部活あんの？」

「そもそも俺等に式典とか休日とか関係ねえよ。昨日も部活だったしな」

「はえーすっごい鬼畜……」

　前世で『黒子のバスケ』読んだときから思ってたんだが、帝光の部活って本当に中学校？ってなるくらい本格的だよなー。バスケ部に限らず。

「嫌になったかい？バレー部入るの」

　傑くんがいい微笑み(どうせ貼り付けだぜ)を浮かべながら訊いてきた。

「俄然燃えるね！！」

「ふはっ、そういやコイツバレー馬鹿だったわ」

「そのバレー馬鹿に影響されたのが私達だけどね」

　俺は馬鹿ではない。

「つかさ、午後の部活って俺も参加できる？というより今日入部できる？」

「あー……どうだろう」

「おい。お前それ、もしかして」

「俺のエナメルバッグが何か？指定のスクールバッグなんか知りませんが」

「……やけに大きいね。今日入学する学生のものじゃないよ、それ」

「どうせジャージとサポーターでも入ってんだろ」

「モチのロン！」

　マコちゃんが言う通り、マイ・エナメルバッグにはジャージとサポーター、それからマイ・バリボーが入っている。まさか貴様、エスパーじゃな？

「俺等に訊かなくても部活やる気満々じゃねえか」

「だね」

「フフン」

＊