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ab「あの、無痛病は聞いたことがあるんですけど、」
「無感病は、それよりも厄介です。
こちらの資料をご覧ください。
疲労を始め、痛み、温度などの触覚を感じないことが主な初期症状です。
ここからは、人によって違うのですが、第二期では聴覚、視覚、嗅覚、味覚にも症状が現れます。
この無感病は症例があまりにも少なく…
僕個人としては大変危険な病気だと思っています」
ab「その、味覚とかって、全部に症状が出るんですか、」
「それも、分かりません。今現在この病気を患っておられる方は視覚のみと聞いております」
ab「…治りますか？」
淡い期待を込めて、くしゃりと資料を握りしめた。症例が少なくて、危険な病気。
「今現在で、完治した患者様はおられません」
ab「は、はは、ですよね、すいません」
この病気になったから、死ぬわけじゃ無い。
なぜ危険か。
痛みを感じないからである。
例えば頭をぶつけたとしよう。
気付かぬうちに大量出血、もしくは
頭蓋骨損傷などになっていても
気付くのが遅いために命に関わる危険があるのだ。
それと、もし第二期の症状が
聴覚、視覚に来てしまった場合、
…いや、なっても無い事を考えるのはよそう。
不安が募るだけだ。
「抑制する薬は開発されているので、それで進行を遅らせましょう。
阿部さん、この病気はまだ解明ができていません。だからこそ、治る可能性だってある。
僕も大学病院に掛け合って研究を進めてもらうよう頼みます。ですから、絶望はしないでください」
その先生の必死な言葉に、俺はただ、自分に課せられたこれからの未来に「はい」と作り笑いを浮かべることしかできなかった。
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ゆーり - このお話が面白くてもう2回目です！ 他の話も読んでみたいです！ (2022年11月7日 16時) (
レス) @page28 id: 843b8d5514 (このIDを非表示/違反報告)
huuto(プロフ) - それ、雪達磨に殺らせてくださいの小説、パスワードかかってます。見たいんですがどうすればいいですか? (2021年1月9日 21時) (レス) id: b8e244ff6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たそ
| 作成日時：2020年12月6日 22時
