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mm




楽屋に現れた阿部ちゃんは、
「おはよ〜」なんていつも通りに
入ってきては、いつもの場所に座る。


…いつも通りの挨拶なのに、
いつもは癖毛を綺麗に整えてから来るその髪は無造作のままで。



kj「阿部ちゃんおはよぉ、見てこれ」

ab「ん〜、ちょっと待ってよ。どれ?」


それを分かってなのか
康二がすぐさま阿部ちゃんに駆け寄れば、


阿部ちゃんの顔が、笑顔になった。


常日頃から思っていたことだが、
康二と話す阿部ちゃんを見ていると
俺と話す時よりも楽しそうで
なんなんだよ、とむしゃくしゃする。


俺だって、阿部ちゃんを守りたい。
笑顔にしたい。


そう思って、
きゃっきゃと話す二人の元へ向かう。


mm「阿部ちゃんおはよ」

ab「あ、めめおはよぉ。
昨日はありがとうね」


ふわり、優しい笑顔を向けてくれる。
なのに、顔色は悪いし目の下にはクマができてしまっている。

そりゃあんなことがあったのだ。
ぐっすり眠れました!などという
そんなメンタル彼にあるはずは無く。


目の下で主張するその隈は
まるで阿部ちゃんの心を表しているようで。


そんなもの、彼には似合わない。


ab「っ、へ、めめ?なに、」

mm「あ、ごめん」


無意識に、その隈をなぞっていた。


kj「いややわ、朝からキツイって!!」

ab「あはは、そんな隈ひどいかなあ、俺」

mm「うん、だからちょっとでもいいから寝なよ。時間なったら起こすから」

ab「や、いいよ、」

mm「いいから」

ab「でもっ、」



押し問答もめんどくさくなり、
彼の肩に俺のジャケットを掛ける。


そのまま背中をたたけば、
諦めたように机にゆっくり伏せていった。


ab「…ほんと、ごめん」

mm「もういいから。謝らなくて」

ab「ねえ、めめ、」

mm「ん?」


伏せたまま喋る阿部ちゃんに、
そっと顔を近づける。



ab「よる、めめん家行っていい?」

mm「え、うん、いいけど、」

ab「ありがとう、また連絡する」



なんて言ってそのまま眠ってしまった。
先程の彼の発言に驚きはしたものの、
自分を頼ってくれたことが嬉しくて、
嬉しくてたまらなくて頬が緩む。



kj「やから顔。きついでそれ」




やっぱり俺は、
何も知らないままだった。

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たそ(プロフ) - はちにゃんちゃんさん» いつもコメントありがとうございます!楽しみにしててください〜^^ (2020年11月13日 19時) (レス) id: 01b6d17915 (このIDを非表示/違反報告)
たそ(プロフ) - miaさん» ありがとうございます〜!!!! (2020年11月13日 19時) (レス) id: 01b6d17915 (このIDを非表示/違反報告)
はちにゃんちゃん(プロフ) - お疲れさまでした!!!更新ありがとうございます!!!もう…阿部ちゃんのことになると号泣です泣 これからも楽しみにしてます♪ (2020年11月12日 21時) (レス) id: 4566a6c928 (このIDを非表示/違反報告)
mia(プロフ) - お疲れ様でしたー!!めっちゃ面白かったし、めっちゃ泣きました! これからも?頑張ってください!!応援してます! (2020年11月12日 21時) (レス) id: c726728029 (このIDを非表示/違反報告)
たそ(プロフ) - 餅の助さん» 大好きというお言葉がすごく沁みます、、ありがとうございます! (2020年11月10日 22時) (レス) id: 01b6d17915 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たそ | 作成日時:2020年10月26日 17時

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