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第五夜 ページ8
「ケンタロウ……手、繋ごう。」
「……ん」
シゲルが差し出した手を、ケンタロウは黙って握った。
「……ありがとな。」
「……ん…」
それから二人は、懐中電灯や所々にある街灯以外光の無い暗闇の中を、手を繋いで歩いた。
ふと、ケンタロウはかすれた文字で何か書かれた紙が貼られた掲示板を見た。
『いのちをたいせつに
おこまりのさいは、こちらのばんごうへ……』
「……ケンタロウ？どうした？」
シゲルは不思議そうにケンタロウの顔を覗き込んだ。
「……何でもねえよ。……早く行くぞ」
ケンタロウの態度に少し疑問を覚えつつも、シゲルは黙ってケンタロウと共に歩き出した。
続く
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作者名：蓮花46猫 | 作成日時：2018年11月8日 23時
