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5 あの時からもう好きだった ページ5

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私が知らない間に進んでいた話に更に頭が追いつかない。ぐるぐる頭の中がループして、キャパオーバーを脳が訴えかけてくる。


「っとにかく!私はアンタと学校通うの絶対嫌だから!」


そう言って距離が近かったセンラを押し退けて、走り出した。



「佑月さん!」









_________

私が七歳で、初めて五十嵐組にきた時の事だった。


両親が亡くなり、七歳と言ってもまだまだ小さくて毎日泣いている日々を過ごしていた。

これからが大変な子供を誰も引き取りたがらず、私は親族の家を転々としていた。



そんな時、ずっと会えて居なかったおじいちゃんに引き取られた。と言っても、初めて会ったのは、まだ生まれたばかりで記憶に残って居ないため、怖い顔の人が沢山居る家でこれからずっと暮らすとなる事に、私の体は拒否していた。




「佑月、此処がこれからオマエの暮らす家だ。そしてコイツがオマエの世話係だ。」

「初めてまして、佑月さん。折原センラです。」

「いやっ...パパとママがいい...!」


泣いてしまった私にセンラは優しく微笑む。
そして、私を抱き上げ視線を合わせてこう言った。


「俺が佑月さんのパパとママになります。」

「お兄ちゃんなのに...?」

「ふふっ、お兄ちゃんにもなります。全部俺がなったる。此処では血が繋がってなくてもみんな家族やから。

俺がずっとあなたを守ってあげます。
だから泣かんといて、佑月さん。」



そう言ってセンラは私を強く優しく抱きしめた。


その言葉は、『組長の孫』に向けての言葉だったかもしれない。

けれど、私の大きな支えになったのだ。





_______多分あの時からもう好きだった。

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あるじゃん(プロフ) - あいさん» あいさんご無沙汰いたしております。暖かいコメントありがとうございます、嬉しい限りです泣 長らくお待たせいたしましたが、今後ともよろしくお願いいたします!更新頑張ります。 (2021年4月11日 13時) (レス) id: 2f7ed6fc05 (このIDを非表示/違反報告)
あい - おかえりなさい!!これからも更新頑張ってください! (2021年4月10日 18時) (レス) id: dad9695123 (このIDを非表示/違反報告)
みね - 更新、頑張って下さい!めっちゃ楽しみです!!! (2020年7月30日 23時) (レス) id: 2329b8e021 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - コメント失礼します…!!私が昔から読んでいた少女漫画と内容がそっくりで、めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年6月29日 7時) (レス) id: 29052aa6a9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 本当ですか…?良かったです…文才足りんと悩んでいたので… (2020年5月13日 21時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるじゃん | 作成日時:2019年11月25日 0時

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