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ぴーちゃんが、女性でもクラクラ来るような、色っぽい笑顔でにっこり笑った。
「鬼塚先生……？」
「はい？」
Aは、大きな瞳をゆらゆら揺らして、俺をじいっと見下ろした。
「A、会いたかったんじゃないの？」
「……もう、いいんです」
「どういうこと？」
「二宮さん、さようなら。お幸せに」
目をキラキラさせて、Aがにっこり笑った。
くるん、と背を向けて、店からAが出ていこうとしてる。
鬼塚莉那に会いたかったんじゃないの？
なんでそんな顔すんの？
もっと喜べよ。
それに、結婚するんですか？ってなんで？
……ああ、ぴーちゃんとの会話を聞いたんだな。でも何処から？
作風戻しました？ってとこから？
二宮が鬼塚だったのかよ！騙したな！って怒ってる？
違う、作風変えました？ってとこからだったら結婚するんだってのは、作中のことだってわかるよね？
俺が結婚するんだって、思ったんだ。
じゃあ、なんであんな傷ついた顔すんの？
俺とぴーちゃんが結婚するんだと思った？
「ね、ぴーちゃん」
「なんですか？」
「時々全く同じこと言う男女がいたとするでしょ？例えば、寂しいのは距離があるからじゃない、私を思い出さない時間が増えることだ、とかそういう」
「はい」
「その二人はどういう関係に見える？」
「偶然だったら相性抜群。普通なら恋人とか？あとは、同じ本とかを読んで二人ともその作者が大好き、とか？」
……考え方が似る位、おれが鬼塚莉那のことが好きに見えた？
挙句におれが鬼塚莉那にプロポーズしてると勘違いした？
しばらく来なかった理由と、さっきの傷ついた顔を見せた理由はなに？
そんなの、もうとっくに気付いてる。
だったらいいな、とは思ったけど、そんなわけないって自嘲して。
あれだ。あのアンハッピーエンドのお話。
お幸せにって言って、背中を向けた途端涙を溢す。
心からそう思いたいって自分に言い聞かせながら？
「くっそーめんどくせー！」
「え？」
「今日帰っていい？資料ありがと、そこおいといて。原稿できたら連絡する、……テンチョー、これ預かっててよ、ちょっと出るわ」
「追いかけなかったら出入り禁止にするところでした」
「じゃーめんどくさいけど行かなきゃね？仕方なくだからね！」
走る？だめだ。
愛車！チャリ！A、どこ？
あいつの家は、こっち。
ああ！日ごろの運動不足が！
ほら、いた。
ふえーん、って空を見上げて泣きながら歩く、バカ１名様。
チャリを捨てて、捕獲。
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璃桜(プロフ) - 初めて読ませて頂いた作者の方もいて色んな作風が読めて楽しかったです。ゆったりとした雰囲気が儚くちょっと切なく感じました。またコラボの企画があったら読みたいと思いました！これからも応援しています！ (2016年12月12日 21時) (
レス) id: 18ebc3f5e6 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - reiさんのお話、ぐっときてしまいました。やっと自分の気持ちに気がついたのにすれ違いでもぅ会うコトもままならないなんて。後悔をして愛を知るなんて。悲し過ぎる。甘いお話も好きですがたまに涙して毒気を抜いてます。これからも楽しみにしています！ (2015年9月23日 14時) (レス) id: cc888f66ce (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - つむさんのお話大好きです。泣けてしまいました。また素敵なお話読むの楽しみにしてます！ (2015年9月23日 13時) (レス) id: cc888f66ce (このIDを非表示/違反報告)
かしゆか(プロフ) - この作品面白かったです！ところでつむさんに質問なんですけどパスワード解除したりはしないんですか？ぜひつむさんの作品を見たいのですが･･･ (2015年9月15日 0時) (レス) id: a67ea852ce (このIDを非表示/違反報告)
Ame(プロフ) - 5人の作者様のお話がそれぞれ重なりあってて、すごくおもしろかったです。感動しましたし、お腹いっぱいになりました。また是非このような企画があることを楽しみに待ってます！ (2015年4月23日 0時) (レス) id: 8bdb99006e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tomyummy
x他3人 | 作者ホームページ：
作成日時：2015年4月2日 23時
