第五歩 ページ5
〜エマside〜
此処での暮らしは永遠じゃない。
12歳までには皆里親を手配され巣立っていく。
それもまた慣例。
「コニー準備できた?」
「どうかな・・・・服」
「バッチリ♡似合ってるよ!」
「よかったぁ!」
今日また一人この施設から巣立っていく。
ずっと一緒に居た"コニー"が
「私トロいし、みんなみたいにユウシュウじゃなかったけど、大人になったらママみたいな"お母さん"になりたいんだ!」
私達は皆、実親の顔も生まれた場所も知らない。
新しい家族ができる。
旅立ちは嬉しいこと、
だけど・・・・
やっぱり、
『別れは寂しい』
皆がコニーを送り出そうと集まっているなか、Aの姿だけがない。
誰かが巣立っていく時、必ず彼は姿を現さない。
コニーを送り出してから暫くして、食堂に行ってみると、
「コニーー!!??ど、どうしよう・・・」
リトルバーニーが机の上に置かれていた。
「さっき風呂場の窓から遠くの門に灯りがついてるのが見えた。まだコニー出発していないと思う」
まだ出発してない。
なら、届けてあげた方が・・・・
「届けてやろう」
「ノーマン?」
「コニーの気持ちを考えたら早い方がいいだろ?」
そう言って笑顔を見せるノーマン。
彼はいつも私の"したい"と思うことに気づいてくれる。
そして私達はリトルバーニーをコニーへと届けることになった。
ノーマンの技術で鍵はすぐに開き、外に出ようとした。
でも、
「どこ行くの?二人とも」
「え?」
突然後ろから酷く冷たい声が聞こえ、私とノーマンは一度顔を見合わせ振り返る。
そこには、いつもと同じ笑顔を貼り付けたAが立っていた。
「コニーにリトルバーニーを届けようと思って」
「でも、夜に外へ出るのは禁止だろ?」
「後でエマと一緒に叱られるよ」
Aは表情をピクリとも動かさず私達を見る。
なんだろう。
いつものAと明らかに違う。
「そう。まぁ、気をつけた方がいいよ。いってらっしゃい!」
「いってきます」
いつもと違うAに背を向けて、私達はコニーが居るであろう"門"へと向かった。
でも、私達を送り出す時のAの表情は、何処か私達への心配の色が浮かんでいたように思えた。
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アニメしか勝たん - 頑張ってください。私はあなたの小説が大好きです。いつもワクワクとした気持ちで見ています。無理する事なく、ちゃんと休んでくださいね。 (2023年1月17日 14時) (レス) @page14 id: d82d2213ef (このIDを非表示/違反報告)
ほしの - 滅茶苦茶面白かったです。続きはもう見れないのでしょうか…この先が気になります!更新、何時までも楽しみに待ってます。 (2022年1月26日 8時) (レス) id: 3e0bb8035d (このIDを非表示/違反報告)
ヤイ(プロフ) - とても面白かったです!!!更新頑張ってください!!! (2021年2月22日 21時) (レス) id: a0cd87f974 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - とても面白かったです!更新楽しみにしてます。頑張って下さい! (2021年2月18日 13時) (レス) id: b55d75de00 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうらり - めちゃ続いて欲しい…この後の展開が気になる、っ (2020年12月23日 23時) (レス) id: e0a13cc95c (このIDを非表示/違反報告)
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