第二十歩 ページ21
〜エマside〜
今、私達は沢山の本が並べられている図書館に集まり三人で情報収集をしている最中。
外のことについて色々と調べようという話になったけど、
やっぱり、此処で得られる情報は本当に僅かで中々進まない。
外には鬼がいる。
でも、それはどこまで?
どけだけ?
それさえも分からないのが今の現状。
「カメラ、盗聴器のチェック。柵の先の確認。ロープの入手。今の所は概ね順調だろ。次はどうする?」
「うん。少し考えてたんだけど、Aを仲間に加えようと思う」
「また急だな」
「色々と考えたんだけど、僕達は10年以上一緒に暮らしてきたよね?でも、彼について何も知らない」
「・・・?まぁ、確かにな」
「好きな食べ物、好きなこと、口癖、彼の特徴となることを此処に住む誰も把握していない。
それは、裏を返せば今まで彼が自分自身のことについて誰よりも慎重に隠し続けていたということ」
地図の前に立ち二人の話を聞くけど、私には分からない。
ノーマンもレイも、どうしてAにこだわるんだろう。
皆で逃げる為の計画だけど、仲間にするならギルダやドンでも良いはずなのに。
「僕が思うに彼は只者じゃない。そんな気がする」
「それは俺もだ」
「ねぇ」
やっぱり聞いておいた方がいい。
疑問に思ってるだけじゃ駄目だ。
「二人は、どうしてそんなにAにこだわるの?ドンやギルダもAとそんなに変わらないのに」
「やっぱりエマは何にも分かってねぇな。その頭は飾りか〜?」
「レイ?!!」
小馬鹿にしたように鼻で笑うレイに飛びかかると、ノーマンが笑顔を見せながら口を開いた。
「Aを先に仲間にする理由は二つあるんだ。一つは、彼の隠している本当の力が僕達の逃亡への鍵になるから。そして二つ目は、Aがママの味方をする可能性があるから」
「ママの味方?」
「もし、僕達よりもママがAを懐に入れた場合、僕達の逃亡を阻止する為に裏で動く可能性がある。そうなる前にAを此方側に入れる」
「・・・でも、どうやって?」
「Aについては僕に任せて欲しい。いいかな?レイ、エマ」
そう言って笑うノーマンの顔には"自信"の2文字が見える。
「うん!」
「分かった」
私とレイは、迷いなく頷き笑顔を見せた。
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アニメしか勝たん - 頑張ってください。私はあなたの小説が大好きです。いつもワクワクとした気持ちで見ています。無理する事なく、ちゃんと休んでくださいね。 (2023年1月17日 14時) (レス) @page14 id: d82d2213ef (このIDを非表示/違反報告)
ほしの - 滅茶苦茶面白かったです。続きはもう見れないのでしょうか…この先が気になります!更新、何時までも楽しみに待ってます。 (2022年1月26日 8時) (レス) id: 3e0bb8035d (このIDを非表示/違反報告)
ヤイ(プロフ) - とても面白かったです!!!更新頑張ってください!!! (2021年2月22日 21時) (レス) id: a0cd87f974 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - とても面白かったです!更新楽しみにしてます。頑張って下さい! (2021年2月18日 13時) (レス) id: b55d75de00 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうらり - めちゃ続いて欲しい…この後の展開が気になる、っ (2020年12月23日 23時) (レス) id: e0a13cc95c (このIDを非表示/違反報告)
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