第十三歩 ページ13
〜ノーマンside〜
僕とエマは脱走への準備を着々と進めていた。
「ロープゲット！」
縄は此処での生活に必要ない。
けど、テーブルクロスなら縄の代わりとして使える。
「さぁ、難題はこれからだ」
「うん･･･」
考えなければいけないのは、道具だけじゃない。
発信機、
そして全員を連れ出す方法。
課題はまだまだ山ずみだ。
それなら味方は多い方がいい。
「レイには話しても大丈夫なんじゃないかな･･･」
「それは僕も考えてた。
レイならパニックになったりしないだろうし、物知りな分、機械にも詳しい。
きっと戦力になってくれる」
冷静で的確。
レイは常に先を読んで改善の判断を下す。
全員で生き延びる為にも、レイの協力は不可欠だ。
そして、
「僕はもう一人考えてるんだけど」
「もう一人？」
「うん。Aにも話していいと思ってるんだ」
「え、Aに？」
首を傾げ不思議そうな顔をするエマ。
当然だ。
僕達と彼じゃ共通点と呼べるモノがない。
頭脳も、
運動能力も、
彼は僕達よりも確実に劣っている。
表だけを見れば皆がそう思うに違いない。
でも、なら何の力もない普通の彼がどうして僕達と同じ歳まで生きているんだ。
出荷基準が、スコアと年齢であるなら、
彼はとうの昔に出荷されているはずだ。
なのに今、彼は生きて僕達と共に暮らしてる。
それは、彼に生かすだけの価値があるということ。
「それに多分･･･これは僕の仮説だけどAはわざと自分の能力を隠してるんだと思う」
「隠す？どうして･･･」
「それは判らない。でも、僕一度だけ見たんだ。Aがママとゲームをしている所を」
「ゲーム？」
「二人はゲームだと言っていたけど、普通なら到底出来ない遊びだった。でもAは、いつも通りの顔で簡単にクリアしてたんだ」
並べられたカードを、たった１５秒で全て暗記する。
"普通"の人間が出来るようなことじゃない。
きっと僕でも全問正解は難しい。
彼はあの笑顔の裏に何かを隠してる。
能天気で何も考えていない普通の子供を演じながら、頭の中ではもっと別のことを考えているはずだ。
「かけてみる価値はあるはずだよ。エマ」
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アニメしか勝たん - 頑張ってください。私はあなたの小説が大好きです。いつもワクワクとした気持ちで見ています。無理する事なく、ちゃんと休んでくださいね。 (2023年1月17日 14時) (
レス) @page14 id: d82d2213ef (このIDを非表示/違反報告)
ほしの - 滅茶苦茶面白かったです。続きはもう見れないのでしょうか…この先が気になります！更新、何時までも楽しみに待ってます。 (2022年1月26日 8時) (レス) id: 3e0bb8035d (このIDを非表示/違反報告)
ヤイ(プロフ) - とても面白かったです！！！更新頑張ってください！！！ (2021年2月22日 21時) (レス) id: a0cd87f974 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - とても面白かったです！更新楽しみにしてます。頑張って下さい！ (2021年2月18日 13時) (レス) id: b55d75de00 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうらり - めちゃ続いて欲しい…この後の展開が気になる、っ (2020年12月23日 23時) (レス) id: e0a13cc95c (このIDを非表示/違反報告)
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