第二十四話 ページ25
〜ノーマンside〜
Aの言うことはもっともだ。
何も言えない。
何も言い返せない。
僕は拳を握りしめ、唇を噛み締める。
「何も言えない。何も言い返せない。悔しいよね、ノーマン」
Aは、まるで別人みたいに机の上で足を組みながら、まるで嘲笑うように僕を見る。
その姿には、いつもの明るい彼の面影は一切なく、茶色の髪の隙間から覗く赤い瞳は、まるで悪魔が現れたような恐ろしさを感じさせる。
でも、僕の考えが間違っていたとしても何も得られず戻ることは出来ない。
「Aの言うことはもっともだ。でも、僕は此処で躓く訳にはいかないんだ！」
こんな所で躓いていたら、皆を。
エマやノーマン、
そして君の笑顔を守れない。
「だから教えて欲しい！Aが何を隠しているのか、何処まで知っているのか！お願いだ！！」
僕は目の前に座るAに頭を下げた。
話していて分かった。
彼はただ隠しているだけじゃない。
僕を試しているんだ。
僕が頭を下げたことに驚いたのか、微かに前から息を呑むのが聞こえた。
そして、トンｯと床に着く音の後、Aは僕に近づき足を止めた。
「ノーマン」
伸びてきた手が僕の頬を包み、ゆっくん顔を上げさせる。
その動きに流される様に、そのまま僕はAの目を力強く真っ直ぐ見る。
此処で逸らしちゃいけない。
背中に嫌な汗が流れる。
いつもと明らかに違う雰囲気のAに "恐ろしい"という感情を抱いてしまっている。
でも、逃げたらダメだ。
僕とAの視線が交差する。
どれくらい経っただろう。
いや、時間にすればそんなに経ってないはずだ。
でも、彼との間に流れる沈黙の時間は本当に長く永遠のものに感じられた。
そして、その沈黙を破ったのはAの「分かった」という小さな呟きだった。
微かに緩んだ目元を見た瞬間、やっと息が出来たような気がした。
そして、僕達の距離が縮まり背中にAの腕が回される。
え？
「ノーマン。僕は････」
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アニメしか勝たん - 頑張ってください。私はあなたの小説が大好きです。いつもワクワクとした気持ちで見ています。無理する事なく、ちゃんと休んでくださいね。 (2023年1月17日 14時) (
レス) @page14 id: d82d2213ef (このIDを非表示/違反報告)
ほしの - 滅茶苦茶面白かったです。続きはもう見れないのでしょうか…この先が気になります！更新、何時までも楽しみに待ってます。 (2022年1月26日 8時) (レス) id: 3e0bb8035d (このIDを非表示/違反報告)
ヤイ(プロフ) - とても面白かったです！！！更新頑張ってください！！！ (2021年2月22日 21時) (レス) id: a0cd87f974 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - とても面白かったです！更新楽しみにしてます。頑張って下さい！ (2021年2月18日 13時) (レス) id: b55d75de00 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうらり - めちゃ続いて欲しい…この後の展開が気になる、っ (2020年12月23日 23時) (レス) id: e0a13cc95c (このIDを非表示/違反報告)
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