転生したら、疑われました4【約ネバ】

. ページ23

『……ねぇ、ピーター。君は今のこの世界について、どう思っている？』




ピ「限りなく正解に近い在り方であると思っているよ。1人の英雄が成し遂げた、素晴らしい世界だ」





ほぼ即答に近い回答であった





『………そうだね。俺も、そう思うよ



この世界は素晴らしい。人間と鬼が別々の世界に住み、互いを認めあっている。

本来なら成り立つことの無い姿だ



そして、“農園”という制度だが、、、あれは……』










____________本当に素晴らしい制度だと思うよ










その言葉に意外だといった表情をされる


無理もない。何しろ、俺自身がその農園から来たのだから





『いや、農園から来たからこそ、俺はそう思ったんだ。


あの鳥かごの中はとても快適だったよ。




外のこわーい世界なんて何も知らずに、ぬくぬくと暖かい温もりに包まれたまま生きる



そして何も知らずに幸せなまま眠れるんだ




そんな幸せな生涯が他にあるか？』






俺には、そんな選択肢は無かったけど






『…もし、そんな生き方が出来たのなら、私(おれ)もそうありたかったよ。



……そして、農園は鬼側にとっても良い制度だ。



こっちは言うまでもないが、約束を破ることなく、安全に人間の肉を入手できる





俺は、感動したよ。



ピーター、君がこの素晴らしい世界を保ってくれていたんだと』





ピ「！！」






『そして、同時に悲しくもなった……


そんな英雄の意志を継ぐ者の大義ある意志を妨害する者がいるからだ』





それが、何か分かるか？





『……この鬼の社会だよ。



農園の脱走者だとか、追放した貴族達の反乱だとか、そんなものは何も問題じゃない。



全ては、この脆い鬼の社会が原因だ



この社会のせいで、そんな異分子が生まれてしまうんだ




君も気づいているはずだ。この鬼の社会は、叩けば簡単に崩れてしまいかねないほど、既に亀裂が渡ってしまっていることに』





そう。この世界の在り方は合っていても、鬼の社会が間違っていては何にもならない





『その問題の全ての根本にあるのが、ここ、宮廷だよ。



今の鬼の社会は、絶対王政によって成り立っている。



1箇所に権力の集中した武力的制圧は、国を呆気ない結末に落とすのが決まり事だ』






ここでひとつ、我々で修正を施そうじゃないか、と前に指を立てる








『俺たちで、この腐った社会をぶっ壊そう』






.

.→←.

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す