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「…」
テラスからこのアジトを眺める。
気持ちの良い風が吹き、
私はその風に目を閉じた。
私は少し一人になりたいとノーマンに言った。
未だにスミーさんが死んだことが信じられないのだ。
ノーマンも快くいいよと言ってくれた。
あのスミーさんが死んだ。
死んだんだ。親しい人が死んだから、
より“死”というものが身近に感じた。
「…会って話すのは初めましてだね」
私はそう口にする。独り言ではない。
私は後ろを振り返りずっと黙って私を見ていた人物を見つめた。
「ヴィンセント、私に何か用？」
ヴィンセント「…」
そこにはヴィンセントがいた。
あのルービックキューブでやり取りをしていた人物。
頭には縫い目が目立つ。
スミーさんが言ってた。彼もまた実験体だと。
そんな彼が私を見つめ、目を細めた。
ヴィンセント「ボスがやたら君にこだわっていたから、
どんな子か気になっただけだ」
ヴィンセントはそう言って私の隣に並んで同じように、
アジトを見下ろした。
私はそれを聞いて眉を寄せた。
ボス…ノーマンのことか。
もうノーマンは、ボスなんて呼ばれてるんだ。
それほど実力があるってことだよね。
でもなんだかノーマンが、遠く感じた。
「…彼は私の友達だから。昔からずっと一緒だったし」
私はそう微笑んだ。
昔からずっと。一緒だった。
だけれどこの騒動で離れ離れになったけれどまた巡り会えた。
きっとエマとレイにも巡り会える。
この広い世界で。
ヴィンセント「それに、スミーもやたら君にこだわっていたしな」
「…」
私はそれを聞いて手すりを握りしめる。
スミーさんはまるで、父親のような存在だった。
優しくて、リーダー性があふれていた。
でも死んだ。死なせてしまった。
ヴィンセント「君はこれからどうするんだ」
ヴィンセントはまるで全てを見透かしてるかのようだった。
私は目をギュッと閉じる。
まぶたの裏にはハウスで出荷された子達の顔。
それにスミーさんの顔が浮かんだ。
死は無駄にさせたくない。
スミーさんが望んだ世界…
鬼がいない世界を。
「…私は、みんなが笑えたらそれでいい」
答えは変わらない。
“みんな”が笑えれたらいい。
鬼がいない世界で笑ってて欲しい。
もう苦しい思いをして欲しくない。
その為なら、私はなんだってするよ。
__________
100票ごえありがとうございます！
未だに信じられません…更新頑張ります！
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白楊(プロフ) - 似たような内容の小説を読みました (3月27日 12時) (
レス) id: 9084a50d79 (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - あぁぁぁぁぁぁぁ…好きです…！！！ゆっくりでも更新していただけると嬉しいです…！！！気長に待ってます！！ (1月16日 17時) (レス) @page17 id: efeff932b9 (このIDを非表示/違反報告)
菜々美(プロフ) - 更新ありがとうございます！！待ってましたー！！！ (11月28日 16時) (レス) @page16 id: 8f4a0109ee (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - 更新ありがとう御座います。度々読み返させて頂いていて毎回素敵な作品だと実感します。是からも応援しております！無理せず自身のペースで頑張って下さい！ (11月25日 22時) (レス) @page15 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
すーぱーぬこ(プロフ) - 更新ありがとうございます！！！！！ずっとこの神作品の更新を楽しみにしていました！すごくうれしいです、、、 (11月25日 21時) (レス) id: 772e354f53 (このIDを非表示/違反報告)
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