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「っ……」



私は毛布を頭までかぶって蹲った。

苦しい。
息がうまくできない。

目を閉じれば、赤い色が見える。
ダメ、思い出しちゃダメ。
あの感覚も、あの時のむせ返るような匂いも。



鬼『君は生かそう』



あの、鬼の顔を。



ユウゴ「A」

「!」



私はその声にビクッとする。
毛布の上から頭をなでられる感覚。
私はそれに驚いたけれどじっとする。

…ユウゴ、私が寝てると思ってる?
私は黙ったままユウゴの様子を伺った。



ユウゴ「…ごめんな。
俺がもっと強かったら…」



私はその言葉にガバッと毛布をめくってユウゴを見つめた。
案外ユウゴは近かった。ユウゴは案の定そんな私に驚いていた。
でも私は構わずユウゴを見つめた。



「ユウゴは強いよ!私が弱いだけで…!」

ユウゴ「お前…おきてたのか」



私はその言葉に“あ”と声を漏らす。
ユウゴは黒い笑みをしてて、私は冷や汗をかく。
苦笑いしてると、ユウゴがギュウッと私の鼻をつまんだ。



「いたいいたい!」

ユウゴ「狸寝入りする奴が悪い」



ユウゴはそう言って乱暴に鼻を離した。
私は眉を寄せて鼻を摩る。
こういう時乱暴になるの本当直した方がいいよ…

私はため息をついてると、ユウゴが急に私の頭を掴んだ。
そのまま引き寄せられて私は体制を崩した。



「…ユウゴ?」

ユウゴ「…」



ユウゴは私を胸に抱いた。
私は体重をユウゴに傾けるようになる。
その硬い胸板に私はそっと手を当てる。

ドクン…ドクンと規則正しい心臓の音が伝わる。
そして温かいぬくもり。

私はユウゴの背中に手を回して抱きしめる。



「…ユウゴ、あったかいから好き」

ユウゴ「…そうかよ」



私がそういえばそっけない返事が聞こえる。
私はそんな返事に頬が緩んだ。

その時、



レイ「おい、ギルダが…」



レイが部屋の扉を開けた。

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あまね(プロフ) - 終わってる (2023年1月26日 20時) (レス) @page32 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きずっと待ってます! (2023年1月6日 20時) (レス) @page32 id: 8441e4cc3e (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - 約ネバの夢小説の中で1番好きです。ずっと待ち続けます。 (2020年11月19日 23時) (レス) id: a8aec2e377 (このIDを非表示/違反報告)
エマ - 続きが読みたいです!! (2020年9月3日 21時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
ユウゴ - とても面白かったです!続きを早く読みたいです。楽しみに待ってます! (2020年8月10日 7時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:消しかす | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年3月24日 0時

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