【銀魂】沖田隊長、約束をしましょう【沖田総悟】

なら、俺は？　沖田side ページ5

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『…お前なら……お前らなら、大丈夫だと俺は思える』


土方さんが部屋から出ていってから、俺はまた布団に寝転がって天井を眺めていた。土方さんが来る前と同じような体勢で。眠ろうと思っていたのに、なんだか頭が冴えてしまって眠るに寝れなくなってしまった。あくびも出てこない。さっきまではあんなに眠たかったのに、眠気はいつの間にか何処かに飛んでいってしまったようだ。思考によって押し流されてしまったのかもしれない。どっちでもいいが、まだ暫く寝付けそうになかった。ぼんやりと天井を見ながら、俺は土方さんの言葉を思い出す。土方さんにしては、論理的ではないというか、何の根拠もないというか。漠然とした言い回しであった。けれど、適当に言ったわけではないことは、考えなくても分かる。

…きっと、土方さんは、俺がどちらを選んだとしても、責めることはしないのだろうと思う。ほぼ確信を持ってそう思える。土方さんだって、今の俺とはまた違ったケースだが、けれど同じようなことに向き合ったことがあるからだ。


…土方さんは、遠ざけることを選んだ。護るために。大切なものを自ら突き放した。


…なら、俺は？

俺はどうするのだろう。どうすれば正解なのだろう。どうすれば、いいのだろう。分からない。ぐるぐると頭を巡らせる。同じ場所にまた着地して、そこからまたスタートする。同じ場所に辿り着く。繰り返しだ。うんざりしてくる。

溜め息を漏らしては、天井の照明を遮るように腕を目元に持っていった。目を閉じる。視界が暗くなる。残像が瞼の裏で揺らめいている。


Aは、俺と共に。俺達と共に討ち入りに参加することを望んでいて、俺はAが傷付くことをどうしようもなく恐れていて。だから危険な場所から遠ざけたい。俺とAの思いは矛盾している。平行線のままに、今まであり続けている。そのことに向き合うことから目を逸らして、俺は見ないふりをして頭の片隅に追いやっていた。けれどきっと、Aの中にはずっと、その望みは大きく強くあったのだろう。


…失う可能性に怯えてばかりでAの足を引っ張っている挙げ句、Aの意思すら見ようとしない。最悪じゃないか。なんて情けないんだろうか。自分で自分が嫌になる。


腕を退けて、目を開ける。無機質に部屋を照らしている照明器具の光に目が痛む。


…一旦、頭を冷やそう。そうして、また一から考えよう。なんだか頭がこんがらがっていて、このままではまともな答えなど見出だせない。


俺は布団から起き上がった。

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