第76話 鬼 ページ28
ﾋﾞｭｵｯ
ｶﾞｯ
A｢きゃっ｣
レイ｢A！｣
躓き転びそうになった私の腕を、レイが掴んでくれる。
A｢ありがとう、レイ！｣
マルク｢ねぇ！鬼ってことは、あれは追手ってこと!?｣
ナット｢違うよ！あいつ全力で俺達を食おうとしてるだろ！｣
エマ｢その通り、追手じゃない。追手なら、
A｢指の先だって許されないからね！｣
レイ｢農園とは無関係で、種類も違う鬼…つまり問答無用。捕まれば食われる。｣
ドン｢…っ食われてたまるか！｣
ドンの合図に、みんなが二手に分かれる。
エマ･レイ･A｢！｣
みんな、逃げるの上手くなってる！
A｢エマ！｣
エマ｢うん。レイ、みんなは大丈夫だ。早いとこ私達で、あの鬼何とかしよう！｣
レイ｢！何とかって？｣
エマ｢それは今から…｣
レイ｢ノープランかよ!!｣
A｢ねぇ、あれは？｣
私は、日光が差している場所を指差した。
A｢あいつを木の根の罠に落とす。｣
エマ｢わかった。じゃあ、三人で…｣
レイ｢いや、俺一人でいい。｣
A｢…レイ。｣
私は、レイの服を掴んで、レイを見上げた。
レイ｢大丈夫だ。危険だから一人犠牲になろうとかそういうんじゃない。
俺にできるから俺一人でいいんだ。
俺とお前ら、鬼ごっこ強いの誰だ？｣
エマ･A｢…レイが強い。｣
レイ｢だろ？俺に任せろ。必ず戻る。
俺が出てって10秒経ったら、ギルダ達と合流して、風下へ走れ。いいな？｣
エマ｢うん！｣
A｢レイ、気をつけて！｣
レイ｢お前らもな！｣
私達は、レイと別れて、ギルダ達の所に向かった。
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年6月11日 2時
