第69話 みんなが消えた ページ21
レイ｢A…エマ…生きるよ、俺…生きて、家族を守る。
お前らと同じ家族
今度は…今度こそ誓う。
何があっても、もう二度と切り捨てたりしない。｣
A｢レイ…｣
レイ｢みんなでつくろう。
家族で暮らせる世界を。家族
エマ･A｢うん！｣
ｻﾞｯ、ｻﾞｯ
レイ｢──で、これからどうする？｣
エマ｢まず水がほしい。
上から川が見えたでしょう？飲める水質か確かめたい。｣
レイ｢妥当だな。
人間、水がなきゃ3日で死ぬって昔、本で読んだ。まず水だ。
上手くいきゃ食料も手に入る。
それで？
何か計画…どこか行く当てはあるのか？｣
A｢南に向かう。｣
レイ｢！南？｣
A｢うん。
B06-32地点へ、ミネルヴァさんに会いに行く。｣
私はカバンを探って、ペンを出した。
レイ｢何だ、そのペン…B06-32地点？｣
A｢お兄ちゃんがシスター･クローネから貰ったの。はい。｣
ペンをレイに渡す。
ｳﾞﾝｯ
レイ｢!!｣
レイがペンを引っ張ると、フクロウが出てきた。
レイ｢何だこれ…一体…｣
トーマ｢ラニ!!?｣
エマ｢!!?｣
レイ｢どうした!?トーマ！｣
トーマの声がして、後ろを歩いていたトーマに駆け寄る。
トーマ｢エマ！レイ！A！大変だ!!ラニが消えた!!｣
A｢え…消えた？｣
エマ｢どういうこと!?襲われたの!?それともはぐれて──｣
トーマ｢ちがうちがう！そうじゃない！いきなりいなくなったんだ!!｣
エマ｢!?｣
トーマ｢隣歩いてて…さっきまで…なのに、ふり返ったらいなくて…｣
A｢ラニー！｣
トーマ｢おい、ラニ！ふざけてんのか？出て来いよ!!｣
レイ｢ラニ！聞こえたら返事しろ!!｣
ｼ…ﾝ
返事がない。
A｢！｣
エマ｢レイ！A！私ちょっと辺り探して…｣
A｢待って！おかしいよ…
エマ･レイ･トーマ｢!!｣
エマ｢嘘でしょ…？｣
俺｢俺達以外どこ行った？｣
エマ｢とりあえず、みんなを…｣
ｷﾞｼｯ
A｢エマ、レイ！そこ気をつけ…！｣
エマ･レイ｢えっ｣
私が叫んだ時には遅かった。
ﾎﾞｺﾝ
急に地面が割れて、私達は落ちた。
ﾄﾞｻｯ
A｢痛た…ここは…｣
辺りを見渡すと、真っ暗な空間が続いていた。
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年6月11日 2時
