第52話 兄の出荷 ページ3
ママ｢抗うことを。｣
エマ｢!?｣
ノーマン｢…｣
ママ｢大好きだから、苦しんでほしくない。私はあなた達を苦しませたくないの。
幸福な一生じゃない？あたたかなお家でおいしいごはんと愛情いっぱい。飢えも寒さも真実も知らず、満たされた気持ちで死んでいく。一体それのどこが不幸だと言うの？｣
頭の中に、笑顔のコニーと変わり果てたコニーの姿が過ぎる。
ママ｢逃げるなんて
ね、お家の中で、みんなで一緒に幸せに暮らそう。
決められた時間、最期まで。あなた達6人にも、幸せでいてほしいの。｣
私達は、顔を見合わせた。
ノーマン｢わかったよママ…もういい子は辞める。｣
エマ｢行ってノーマン、A!!｣
エマの声に、私達は草むらからロープを拾って、塀に向かおうとした。
ﾊﾞｷｯ
え？
振り返ると、エマが倒れていた。
エマ｢──あ…あﾞあﾞあﾞあﾞあﾞッ｣
A｢エマ!!｣
ママ｢よしよし、大丈夫よ。痛くない、痛くない。｣
ママは、エマを抱きしめて、エマを宥める。
ママ｢ああ、かわいそうに。私の可愛いエマ。だから｢諦めて｣と言ったのよ。でも、久々のハグは嬉しかった♡ウフフ。
ノーマンとAもよく
A｢…｣
ママ｢そうよ。私はあくまで“制御”する。
あなた達はそれほどまでに“特別”なのよ。特別なお方しか食べられない特別な
私が育てた、最上の
ノーマン｢だったら…｣
ママ｢だからこそ守らねばならない。何としてでも。
諦めてくれないなら、こうするしかなかった。これで、しばらくは動けない。
無事、明日を迎えられるわ。｣
エマ｢｢明日｣？｣
ママ｢そう、明日。
大人しくお祝いしてねA、エマ。｣
A｢!?｣
ママ｢──
おめでとうノーマン。あなたの出荷が決まったわ。｣
A｢お兄ちゃんが…出荷…？｣
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年6月11日 2時
