第50話 下見 ページ1
──11月2日 木曜日
脱獄決行まで
レイ｢確認するぞ。
昼飯の後、自由時間に入ったら、俺がママを引きつける。
ノーマンとエマとAは、塀に上って｢下見｣。
ドンとギルダは屋外、ハウス2階の南窓が見える位置にいろ。｣
ドン･ギルダ｢？｣
レイ｢万一、俺がママを引きつけられなかったら、合図する。
ドン｢！｣
レイ｢多分ママは疑っている。バレてるって感じではなかったけど、楽観はできない。土壇場でこっちの誘いに乗らない可能性もある。｣
ドン｢そうなったら諦めるのか？下見を。｣
レイ｢ああ。場合によって、一旦はな。
いいか？｢制御できない｣と思われたら終わりだ。
ママの目的は俺達の満期出荷。特にフルスコア3匹。
ここまで育てて中途で出すなんざ意地でもしたくない、制御できる内は絶対制御したい、自分にならできる。それが、イザベラって飼育者だ。
疑われようと、怪しまれようと、騒がず｢制御できる｣と思わせればいい。
幸い、来月の定例出荷はない。
決行日までは6日だが、究極次1月、俺の満期出荷まで2か月半の時間がある。
何かあれば、下見は即中止。あくまで水面下、制御可能を装うんだ。いいな？｣
ノーマン｢レイ、ちょっといい？｣
レイ｢？｣
私達は、レイの部屋に行った。
レイ｢は!?｢発信器を壊せる｣をシスターに掴まれた!?｣
ノーマン｢利益もあったが、しくじった。
決行日を早めたい。発信器はいつ壊せる？｣
レイ｢…｣
ｶﾞﾀ…ﾄﾝ
レイはアリシアのベッドスペースを探って、何かを取り出した。
A｢何それ？｣
レイ｢昨日、お前らがシスターの部屋へ行っている間、ママから貰った。
お前らを売った報酬だ。｣
A｢インスタントカメラ？｣
レイ｢そいつを待ってた。
それで最後のパーツが揃ったんだよ。
A｢じゃあ…！｣
レイ｢下見次第で、決行日を早めよう。
隠したかった手の内を奴に読まれたのは厄介だ。｣
ノーマン｢証拠だけは絶対に掴まれてはいけない。｣
エマ｢掴まれる前に早いとこ下見して逃げよう。｣
A｢うん。｣
レイ｢でも、ママへの対処は変わらんぞ。｣
エマ｢わかってる。｣
レイ｢シスターはシスターで手を打とう。｣
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年6月11日 2時
