第32話 スパイじゃない ページ33
ギルダ｢心配して何度も声をかけてくださって、ありがとうございました。｣
──悩み…相談？
エマ｢A！(小声)｣
A｢うん！(小声)｣
私とエマは、笑い合った。
ギルダ｢でも、もう大丈夫です。なので放っといてください。失礼します。｣
よかった。
ギルダは仲間だ。
スパイじゃない!!
クローネ｢そう。エマが全て話してくれたのね？｣
エマ･A｢っ！｣
クローネ｢ギルダ。あなた、全部
ギルダ｢…｣
違う!!ハッタリ！
シスターは鎌をかけているだけ。
クローネ｢ああ、残念よ。ギルダ、あなたとはお友達になれると思っていたのに…
他に誰が知っているの？ノーマン…A…レイ…あとは…？｣
気づいて、ギルダ!!
ギルダ｢やめてください！何の話かわかりません！
エマとはケンカしてただけ、でももう仲直りできたから大丈夫なんです！｣
クローネ｢…そう。じゃ、私の勘違いね。ごめんなさい。
おやすみ♡またね、ギルダ。｣
ﾊﾟﾀﾝ…
ギルダ｢！｣
シスターの部屋から出て来たギルダは、私とエマを見て、目を見開いた。
ギルダ｢エマ、A！違うの！これは…｣
私達は言葉を遮るように、ギルダに抱き着いた。
エマ｢よかったぁ、よかったぁ、ギルダ…！｣
A｢疑ってごめんね…！｣
ギルダ｢エマァ…Aェ…｣
私達は、涙を流した。
次の日の夜、私とエマは廊下を歩いていた。
ノーマン｢A、エマ、ちょっといい？
Aとエマの考えを聞きたいんだ。｣
エマ･A｢？｣
ノーマン｢もし…望んで鬼の手先になっている子がいて…その子がスパイをすることで、その命を保証されるのだとしたら…Aとエマはその子を置いて行く？連れて行く？｣
A｢…スパイをすれば、出荷されずに生きられるってこと？｣
お兄ちゃんは頷いた。
私とエマは顔を見合わせた後、お兄ちゃんを見た。
エマ･A｢連れてく。｣
ノーマン｢！…たとえ相手が望まなくても？｣
エマ｢うん！ひっぱってく！｣
A｢だって、私達が逃げたら、その子の命が保証されるとは限らないでしょ。
それに──｣
ノーマン｢そっかぁ…そうだよね。Aとエマならそう言うよね！｣
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年6月6日 2時
