【約ネバ】抗え。この世界の運命に。 (ページ17)

今日:3 hit、昨日:18 hit、合計:11,019 hit

第16話僕は僕を利用するページ17

ノーマンside

レイ｢あの馬鹿ども、何とかしろ！無茶苦茶だ！｣

ノーマン｢ねー本当！でもよかった、元気で☆｣

レイ｢じゃなくて!!止めろよ！死ぬぞ、お前ら3人共!!
お前は(・・・)、最初(ハナ)からわかってんだろ？｣

ノーマン｢Aとエマが…泣いたんだ。
最初は怖いから泣いているんだと思った。僕も怖かったから…
でも違ったんだ。
僕は、自分が死ぬのが怖かった…けどAとエマは、家族が死ぬのが怖くて泣いていたんだ。
すごいよね…あの状況で何かを守ろうと考えられるんだ。｣

レイ｢でも、正しくない!!泥船だぞ！…ぶっちゃけ4人だろ…4人なら逃げられる！
お前は正しい、自分を恥じるな、情で判断をねじ曲げるな、ノーマン!!｣

ノーマン｢違うよ、レイ。僕も泥船をつくりたい(・・・・・)んだ。｣

レイ｢…は…なんでだよ…
“ノーマン(おまえ)”は違う(・・)だろ!?
もっと冷静で…いつだって“正解(さいぜん)”を…なのにどうして…｣

ノーマン｢たった一人の家族だから…好きだから…Aとエマには笑っていてほしいんだ。｣

レイ｢…頭おかしいだろ…それでエマとAが死んでもいいのかよ!!｣

ノーマン｢死なせない。
そのために、僕は僕を利用するんだ。
幸い、僕はやろうと決めてできなかったことは一度もないんだよ。
泥も焼けば器になるでしょ。泥船が必ずしも沈むとは限らないよ。｣

レイ｢馬鹿げてる！｣

ノーマン｢…かもね。｣

レイ｢？｣

ノーマン｢どうする？僕もAもエマも正気じゃないよ。完全に血迷ってる。
放っとけないだろ。｣

レイ｢──クソッ、放っとけるわけねぇだろ。｣