第8話 普段通り ページ9
現実の正体。
ここは農園で、私達は──
ﾊﾞｯ
A｢ﾊｧｯ…ﾊｧｯ…エマ？｣
隣を見ると、エマも荒く息をしていた。
きっと、私と同じ夢を──
エマ｢A…｣
A｢ﾆｺｯ)｣
私は笑って、エマの手を握った。
結局、その後眠ることが出来ず、朝がやって来た。
フィル｢おっはよー!!｣
ギルダ｢こら、フィル！走らないの！｣
ナイラ｢これはこっち？｣
ママ｢ええ、お願い。マルクはお皿並べて。｣
マルク｢はい、ママー。｣
いつもの朝。
まるで全部夢だったみたい。
ノーマン｢おはようA！エマ！｣
エマ｢おはよう！ノーマン！｣
A｢おはよー！｣
でも夢じゃない。
────────────────
ノーマン『いいかいA、エマ。普段通り振る舞うんだ。
僕達は今夜、規則を破って門へ行った。でも、何も見なかった。』
エマ『けど…リトルバーニー…』
ノーマン『ああ…ママは見つけて、不審に思うだろう。だからと言って、誰の仕業かまでは判らない。
行ったこと、知ったこと、逃げること、何一つこちらから明かすことはない。
顔に出せば、ママは気づく。だから今は、まだ誰にも言わない。
僕達だけで見つけるんだ!!ここから抜け出す方法を…!!』
────────────────
ノーマン｢眠れた？｣
エマ｢うん。でも、いつもより早く起きちゃった。｣
A｢私は…あんまり眠れなかった…｣
ノーマン｢そっか。｣
エマ｢…今朝、初めて気がついたんだけど、ハウスの格子窓。
内側からは届かない位置で固定してある上、ネジ穴が潰してある。｣
A｢…まるで檻だね。｣
日常に潜む｢意図｣。
好き嫌いなく食べられるおいしい“餌”。
汚れの目立つ白い服も
規則正しい生活も
全て
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年6月6日 2時
