第3話 「門」と「柵」 ページ4
テストが終わると、
今日は鬼ごっこをやるみたい。
エマ「レイとAは?」
レイ「パス。」
即答で答えるレイ。
A「私はするー!」
靴を履いて、みんなに駆け寄る。
ドン「うへっ、ノーマンとAが「鬼」かよ!」
A「手加減しないからね!」
ノーマン「OK、数えるよ!」
お兄ちゃんが数え出し、みんなは森に散った。
ノーマン「いーち、にーい、3、4、5、6、7、8、9、10。」
A「みんな、森に散ったね。」
私達は、みんなを捕まえるため、森に入った。
木登り、かくれんぼ、鬼ごっこ。
小さい頃から、みんなとこの森で遊んだ。
穴のある木、その先に死角になる岩。
──
けど、近づいてはならない場所が2つある。
外へと通じる「門」と
理由は重要ではなかった。
“私達は「外」へ出てはならない”…
だから私もまだ「外」へ出たことはない。
けれど「門」へは一度だけ内緒で行ったことがある。
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エマ『ねぇ、「外」へ出たら何がしたい?』
レイ『わかんね。エマは?』
エマ『キリンにのりたい!』
レイ『がんば。』
A『この門扉、
ノーマン『一体、何から僕らを守っているんだろう。』
──ママ『いい?門と森の奥の柵へは…』
レイ『「危ないから近寄ってはだめよ」…か。あんなの嘘に決まってるだろ。』
ノーマン『そうかな。』
レイ『ちぇっ、大して面白くもなかった。バレない内にさっさと戻ろうぜ。』
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「外」については知る術はあった。
絵本、小説、学術書、図書室に並ぶ本の数々。
世界はすぐそこに広がっていた。
──手を伸ばせば、すぐそこに。
ドン「何コレ。既にほぼ全滅じゃん!てか、A大丈夫か?」
A「大丈夫、大丈夫!ありがとう、ドン!」
木陰でダウンしている私を、ドンが心配してくれる。
ギルダ「あーあ、これでドンも捕まっちゃったし」
アンナ「あと生き残ってるのは…エマ1人。」
A「最後はやっぱり、お兄ちゃんとエマの一騎打ち!!」
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作者名:苺の花 | 作成日時:2019年6月6日 2時