94.またね ページ48
No Side
「――じゃあA、ちゃんと焦凍やみんなの言うこと聞いて、いっぱいご飯食べて、早寝早起きして元気にするんだよ？」
『うん！ ふゆねえ、それ6かいめだよ』
「体調崩したり怪我したりするなよ？」
『はーい！ なつにいも、それ7かいめだよ』
「焦凍もだよ？ 何か困ったことあったらいつでも連絡して。溜め込み過ぎちゃだめだからね」
「わかった」
「俺も出来るだけ手助けするから、言えよ？」
「ああ」
玄関でAをぎゅうっと抱きしめ、焦凍にも心配そうに声をかける姉と兄。
何度も同じことを言う二人に焦凍はただ頷き、Aは面白そうに見ていた。
Aと夏雄は外に出て雪で遊んでいたらしく、窓の外には二人が作った小さな雪だるまがいくつも並んでいた。
葉っぱや石が乗せられていたり木の枝の手が刺さっていたりと、それぞれに特徴があるのがまた可愛らしい。
冬美と夏雄はどうしても心配が消えず、なかなかドアを開けられない。
そんな二人に、Aは満面の笑みで言った。
『あのね、ひらがなとカタカナ、もっとじょうずになったんだよ！ だから、いっぱいおてがみおくるね！』
「うん、待ってるね！」
「俺もお返事書くからな」
『えへへ、たのしみ！』
にこーっと効果音が付きそうなくらい輝かしい笑顔に、二人はまたAに抱きつこうとした。
が、時計を指差した焦凍がそれを止める。
「そろそろ時間やばいだろ。ほら、Aもバイバイしろよ」
『もう……？ ふゆねえ、なつにい、またきてね』
「もちろん！」
「焦凍も、今日はありがとうな」
「ああ。じゃあ、気をつけて」
『またねー！』
大きく手を振るAとその隣で微笑む焦凍に手を振り返し、冬美と夏雄は帰って行った。
Aは少しの間閉じたドアを見つめた後、焦凍を見上げた。
『ふゆねえとなつにい、またあえる？』
「ああ。まあ二人も仕事と大学があるけど……Aが会いたいって言ったら来てくれるぞ」
Aは嬉しそうに頬を緩ませ、『うんっ！』と大きく頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 283人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや(プロフ) - めいめいさん» めちゃくちゃ健康的で何よりです笑 これから結構怒涛の展開になる予定なので、ぜひぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです！！ (1月10日 22時) (
レス) @page26 id: 021ff3b1be (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - あ''ーマジ泣く これからの展開が楽しみ過ぎて夜しか眠れん (1月10日 22時) (レス) @page26 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - あやさん» 出来てよかったです！ (12月8日 17時) (レス) id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 冬美さん» 出来ました〜！！ 本当にありがとうございます…！！😭✨ (12月8日 14時) (レス) id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - たしか*←だったと思います！ (12月8日 10時) (レス) @page14 id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月木あや | 作成日時：2023年11月7日 20時
