85.違和感 ページ39
俺は今、Aと目を合わせている――はずなのに。
一言で言えば、虚無だった。
まるで俺が見えていないかのように、俺ではなくその空間を見ているかのように、ぼうっとしている。
「A……？」
Aは少しキョロキョロと保健室を見回し、一言ボソッとつぶやいた。
『私、なんでここにいるんだっけ……』
リカバリーガールと相澤先生も違和感に気づき、眉間にシワを寄せた。
Aは何度かパチパチと瞬きをした後、いつもの雰囲気に戻っていた。
『あれ……ほけんしつ……？』
「……Aちゃん、気分はどうだい」
『えっと……ちょっとつかれてるかんじがする……』
「どこか痛かったり変だったりしないかい？」
『うん、しないよ。わたし、なんでほけんしつにいるの？』
「昨日の夜からさっきまで、ずっと眠ってたんだ。今はもうほとんどお昼だよ」
リカバリーガールの説明で状況を理解したAは目を見開き、パッと俺を見た。
俺は「リカバリーガールの言う通りだ」と伝えるように頷いた。
Aはまたパチパチと瞬きをし、『じゃあ、ゆめだったんだ……』とつぶやいた。
みんな首を傾げる。
「何か夢見たのか？」
『うん……すっごくちっちゃいときで、あかちゃんだったの。みんな……やさしかった』
俺の記憶にはもう残っていない頃のことだろうか。
Aは少し寂しそうに笑い、俺に抱きついた。
「辛かったか」
『ううん……でも、あんなにやさしくしてくれたときもあったんだなって、ちょっとさびしくなっちゃった』
ぎゅうっと俺のお腹にしがみつくAを抱き上げ、俺もぎゅうっと抱きしめた。
俺もその頃の記憶はない。
ほんの少しだけ、俺も寂しくなった。
その後リカバリーガールの診察を受け、なんの異常も無いことが確認出来た。
その頃には、もう昼休みに入るチャイムは鳴り終わっていた。
「異常は無いけど、今日はもう寮に戻りな」
「はい」
「何か違和感を感じたらすぐ私のとこに来るんだよ。後から体調が悪くなる可能性もあるからね」
『うん！ リカバリーガールさん、ありがとう！』
Aは元気にリカバリーガールに手を振り、俺たちは校舎を出た。
寮への道中、Aは繋いでいる俺の手をプラプラさせながら言った。
『おなかすいた』
「だろうな……帰ったらホットケーキ焼くか」
『ホットケーキ！ やったあ！』
はやくかえろう！ とAは俺の手をグイグイ引っ張った。
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あや(プロフ) - めいめいさん» めちゃくちゃ健康的で何よりです笑 これから結構怒涛の展開になる予定なので、ぜひぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです！！ (1月10日 22時) (
レス) @page26 id: 021ff3b1be (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - あ''ーマジ泣く これからの展開が楽しみ過ぎて夜しか眠れん (1月10日 22時) (レス) @page26 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - あやさん» 出来てよかったです！ (12月8日 17時) (レス) id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 冬美さん» 出来ました〜！！ 本当にありがとうございます…！！😭✨ (12月8日 14時) (レス) id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - たしか*←だったと思います！ (12月8日 10時) (レス) @page14 id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月木あや | 作成日時：2023年11月7日 20時
