83.絶対大丈夫 ページ37
「瀬呂、悪いが轟のこと頼むぞ」
瀬呂が強く頷いたのを確認し、先生は部屋を出ていった。
俺は体内がスッと冷えたような気がして、脱力してしゃがみ込んだ。
「……轟、大丈夫――じゃねぇよな……」
「…………なんで止めた」
地を這うような俺の声に瀬呂は一度体を震わせて、ボソボソと答える。
「あー……だってよ、お前完全に冷静さ失ってただろ。あのまま先生についていかせてたら、リカバリーガールとかにも掴みかかりそうだったから……」
それがなんだって言うんだ。
その言葉は、グッと唇を噛んだために声になることはなかった。
しかし瀬呂には伝わったらしく、瀬呂は一度深呼吸して言った。
「大丈夫だって、多分環境の変化とかで疲れ溜まっちゃってるだけで――」
「……少し前にもあった」
瀬呂を遮って呟いた俺の言葉に、瀬呂は「え」とこぼした。
俺は淡々と言葉を連ねる。
「前は、ほんの1時間かそれくらいだった。ずっと魘されてて、でも突然飛び起きた。あのときと何か関係あんじゃねぇのかとも思ったけど、今回は魘されてすらいねぇ。反応すらしねぇ。まるで死――」
「それ、言うなよ」
瀬呂は、圧のある声で俺の言葉を遮った。
まるで、さっきの仕返しだとでも言わんばかりに。
厳しくはっきりと言われ、俺はハッと息を呑んだ。
瀬呂に視線を向けると、瀬呂は厳しい目つきで俺を睨むように見つめていた。
「思っても絶対に言うんじゃねぇ。お前が、兄ちゃんが信じてやらなくてどうするんだよ。Aちゃんは大丈夫だ。絶対大丈夫だ」
「……そんなの、根拠は、」
「ああ、根拠はねぇ。だけど、絶対大丈夫だ」
正直、馬鹿かと思った。
だけど、その根拠のない「絶対大丈夫」が、今の俺にはとても心強かった。
スッと頭から熱が引き、グラついていた視界が元に戻っていく。
俺は小さく笑い声をもらした。
「……ふ、根拠もねぇのに、どこからその自信は湧いてくるんだ」
「ははっ……でも、ちょっと安心しただろ」
「……ああ、ものすごく。ありがとう、瀬呂。怒鳴って悪かった」
「良いってことよ。……もうこんな時間か。朝飯食えそう？」
「ああ」
瀬呂は「そっか」と安心したように微笑み、自分の支度に戻っていった。
まだ、手の震えは治まりきってはいない。
いつも以上に早く登校の準備を済ませて、HRまでAのとこに行こう。
そう決めて、俺は毎朝のルーティンに入った。
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あや(プロフ) - めいめいさん» めちゃくちゃ健康的で何よりです笑 これから結構怒涛の展開になる予定なので、ぜひぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです！！ (1月10日 22時) (
レス) @page26 id: 021ff3b1be (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - あ''ーマジ泣く これからの展開が楽しみ過ぎて夜しか眠れん (1月10日 22時) (レス) @page26 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - あやさん» 出来てよかったです！ (12月8日 17時) (レス) id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 冬美さん» 出来ました〜！！ 本当にありがとうございます…！！😭✨ (12月8日 14時) (レス) id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - たしか*←だったと思います！ (12月8日 10時) (レス) @page14 id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月木あや | 作成日時：2023年11月7日 20時
