82.焦燥 ページ36
「おい、何があっ―――」
先生は面倒そうにそう言いかけたが、俺とAを視界に入れた瞬間ピタリと止まった。
瀬呂が「Aちゃんが起きないんです！ 熱も脈も異常はないはずなんですけど……」と言うと、先生はすぐに靴を脱いで畳に上がった。
「……何があった」
「…………さっき起きて、Aを起こそうとして……でも、身体揺らしても……昨日、何も、違和感だって無くて……」
「……わかった。瀬呂、轟に水持ってきてやれ。飯田、ばあさん――リカバリーガールに、今からAちゃん連れていくこと伝えろ」
「う、うす！」
「了解です！」
先生を連れてきてくれた飯田はずっとドアの外にいたらしかった。
先生の指示で瀬呂と飯田はダッと駆け出し、足音は小さくなった。
先生は「轟」と俺に声を掛けた。
俺はずっと落としていた視線をゆっくり上げる。
先生は、真っ直ぐに俺の目を見ていた。
「轟、俺は今からAちゃんを連れてリカバリーガールのところに行く。お前はちゃんと授業に出ろ」
「は……？ ……Aがこんな状態なのに、俺はいつも通り過ごせって――そう言いたいんですか！？」
そんなの、そんなこと、出来るわけがねぇ。
今だって叫び出しそうなくらいなのに。
授業なんて出席したとしても、内容は頭に入ってこないのが目に見えている。
先生だって、それくらいわかってるはずなのに。
なのに――
「――そうだ」
俺の喉からは、笑いすら出てこなかった。
――そんなの、頭がおかしくなる。
「轟、今お前が一緒に来てもやれることはない」
「……じゃあ…………じゃあ、どうしろってんだ！！」
力任せに、先生の首元に掴みかかった。
プロヒーローなのだからいとも容易く避けられただろうに、抵抗すらせずに俺を真っ直ぐ見つめ続ける先生。
それに、俺はどうしようもなく怒りが湧いてきて仕方がなかった。
わかってる。
俺には何も出来ない、そんなことくらい。
だから――だから、悔しいんだろうが……！！
先生は静かに、淡々と言った。
「まずは冷静になれ。話はそれからだ。……瀬呂、水渡してやれ」
「ッ……おい！！」
「ちょ、と、轟……！ お前、とりあえず落ち着けよ、な！？」
「くそっ……どけ！！」
俺と先生の雰囲気に怯えながら顔を覗かせた瀬呂は、今にも噛みつきそうな俺を抑えつけた。
先生はその間にパパっと首元を整え、Aに上着を着せて背負った。
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あや(プロフ) - めいめいさん» めちゃくちゃ健康的で何よりです笑 これから結構怒涛の展開になる予定なので、ぜひぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです！！ (1月10日 22時) (
レス) @page26 id: 021ff3b1be (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - あ''ーマジ泣く これからの展開が楽しみ過ぎて夜しか眠れん (1月10日 22時) (レス) @page26 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - あやさん» 出来てよかったです！ (12月8日 17時) (レス) id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 冬美さん» 出来ました〜！！ 本当にありがとうございます…！！😭✨ (12月8日 14時) (レス) id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - たしか*←だったと思います！ (12月8日 10時) (レス) @page14 id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月木あや | 作成日時：2023年11月7日 20時
