79.大好きな妹だから ページ33
姉さんからの手紙を封筒に戻し夏兄の手紙に手を伸ばしたそのとき、Aは少し俯いたまま小さな声で言った。
『……おとうさん、かわったって……ほんと？』
最近の親父の姿を思い出す。
確かに変わった。
インターンでも改めて感じたが、同一人物とは思えないほど変わった。
「……ああ。理不尽に怒鳴ったりはしねぇ」
『……そっか』
正直、姉さんの「許してほしい」と言いたげな内容には腹が立った。
Aがどんな扱いをされていたか知ってるだろ。
どんな気持ちだったか、どれだけ辛かったか、一部であっても想像はつくだろ。
なのに、まるでAが譲歩することが前提であるかのように、
それがAにとってどれだけの侮辱であり、どれだけの苦痛であるのか、一度でも考えたのか。
でも、Aはそんな俺の憤りにすぐに気づき、困ったように微笑んだ。
俺はなんとか感情を抑え、夏兄の手紙を開いた。
Aへ
勝手に焦凍から話を聞き出しちまって
ごめんな。
元気にしてるか？
焦凍と一緒に暮らしてるって聞いたよ。
焦凍がいるなら大丈夫だとは思うけど、
辛い思いはしてないか？
してないことを祈ってる。
昔のことは思い出したくないかも
しれないけど、これだけは言わせて。
Aのこと、助けられなくてごめん。
話を聞いてやることすらしなくて、
本当にごめん。
Aが行方不明になってから10年、
ずっと後悔してた。
一番末っ子のお前に全部背負わせて、
自分は安全地帯から傍観してたことが
本当に恥ずかしくて、悔しかった。
本当にごめん。
『……そんなの、いいのに……』
ギリギリ聞き取れるくらい小さな声でそうつぶやくAの目は、ゆらゆらと静かに揺れていた。
夏兄の手紙は、どこか戸惑いがある印象を受けた。
罪悪感からどう言葉をかけていいのか分からない、と言うような、少し距離のある言葉が並んでいる。
それでも、やっぱり姉さんと同じように、Aへの心配は溢れ出ていた。
Aが幸せでいられるなら、
俺たち家族にはもう関わらなくてもいい。
でも、俺に何か助けてほしいことがあったり
やってほしいことがあったりしたら、
いつでも言って。
いつでも助けに行くから。
「――Aは、俺の大好きな妹だから」
最後の言葉に、俺は無意識に微笑んでいた。
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あや(プロフ) - めいめいさん» めちゃくちゃ健康的で何よりです笑 これから結構怒涛の展開になる予定なので、ぜひぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです！！ (1月10日 22時) (
レス) @page26 id: 021ff3b1be (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - あ''ーマジ泣く これからの展開が楽しみ過ぎて夜しか眠れん (1月10日 22時) (レス) @page26 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - あやさん» 出来てよかったです！ (12月8日 17時) (レス) id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 冬美さん» 出来ました〜！！ 本当にありがとうございます…！！😭✨ (12月8日 14時) (レス) id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - たしか*←だったと思います！ (12月8日 10時) (レス) @page14 id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月木あや | 作成日時：2023年11月7日 20時
