74.会えないかな ページ28
「……Aは元気？」
姉さんの手が震えている。
「ああ……最近はひらがなの練習をしてる」
「……そう」
「ちょっとずつ明るくなって、少しだけど我儘も言ってくれるようになった」
「…………うん」
「エリちゃんっていう1個年上の友達も出来て……今はその子と一緒に先生たちに預けてる」
「そう……そっか、そっか…………！」
姉さんは眼鏡を外し、顔を覆った。
背を小さく丸め、肩を震わせてむせび泣く。
夏兄はその背を擦りながら一度強く唇を噛み、言った。
「行方不明になった原因はわかったのか？」
「いや……Aが言うには、台所の裏口から家を出て、途中で意識が朦朧として、気づいたときには雄英の目の前だったらしい」
「それはつまり……10年前からこっちに――未来に来たってことか……？」
「その可能性は高いと思う。でも、意識が朦朧とする前に、誰かとぶつかった気がするとも言ってた。だから今、先生たちの力も借りてその人を探してるところだ」
「その人は何か知ってるかもしれないな。それと……その人が原因の可能性も」
夏兄の言葉に頷き、俺は乱暴に涙を拭った。
姉さんも少し落ち着いて、涙は止まっていないが顔を上げていた。
「Aは、親父へのトラウマが強く残ってる。今でも男や身体の大きい人を怖がることがある。だから――」
「お父さんには言わないでくれ、でしょ？」
姉さんは力強く頷き、俺の手を両手で包んだ。
「わかった、お父さんには言わないでおくね。でも……お母さんにはどうするの？」
「お母さんには……まだ、言わないでおこうかと思ってる」
「……そうだね」
少しの間、居間はしんとしていた。
緑谷と爆豪も何も言わずに俺たちを見ている。
姉さんは少し言葉を探すように視線を泳がせてから、一度深呼吸をして言った。
「Aに……会えないかな」
俺はしばらく何も答えられなかった。
話すと決めた以上、必ずそれは言われると思った。
でも、今のAには負担じゃないだろうか。
姉さんと夏兄はAに酷いことをしていなかったが、それでも家族というものが怖いと思ってるんじゃないだろうか。
黙っている俺を見て、姉さんは寂しそうに笑った。
「ごめん、ちょっと急ぎすぎたね。気にしないで。その代わり……ってわけじゃないけど、Aに手紙を渡してくれないかな」
「手紙？」
姉さんは「今から急いで書くから！」と走って居間を出ていった。
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あや(プロフ) - めいめいさん» めちゃくちゃ健康的で何よりです笑 これから結構怒涛の展開になる予定なので、ぜひぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです！！ (1月10日 22時) (
レス) @page26 id: 021ff3b1be (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - あ''ーマジ泣く これからの展開が楽しみ過ぎて夜しか眠れん (1月10日 22時) (レス) @page26 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - あやさん» 出来てよかったです！ (12月8日 17時) (レス) id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 冬美さん» 出来ました〜！！ 本当にありがとうございます…！！😭✨ (12月8日 14時) (レス) id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - たしか*←だったと思います！ (12月8日 10時) (レス) @page14 id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月木あや | 作成日時：2023年11月7日 20時
