66.お散歩 ページ20
「Aちゃん、寒いの好きだったわよね？」
Aのお絵かきに付き合っていたミッドナイトは、唐突にそう言った。
Aは首を傾げて『うん、そうだよ』と答える。
「それなら、少しお散歩に行かない？」
Aはパァッと顔を輝かせ、『いく！』と飛び跳ねた。
ピンクベージュのロングコートを羽織ったミッドナイトは、Aにも白のダッフルコートを着させた。
その様子をお酒片手に見ていたメンバーは、ほろ酔いの様子で言う。
「なーんか、こう見ると
「真っ白で雪の妖精みたいですね〜」
「マフラー忘れるんじゃないぞ」
「こういう家庭を夢見てたなぁ……」
「ジジくさいこと言わないでちょうだい。轟くん、少しお散歩に行ってくるわね」
「あ、わかりました。よろしくお願いします。A、あまり長く外にいるんじゃないぞ」
『はーい！ いってきます！』
「「いってらっしゃ〜い」」
パタン、とドアが閉まれば、またほろ酔いのメンバーが話し出す。
「なーんか、ほんとに
「マイク先生、同じこと言ってますよ」
「我ツマミヲ所望スル」
「え、もう無くなったんですか」
「皆さんその缶で最後にしてください」
「あ、あともう1缶だけ……」
「教師寮戻ってからにしてください」
「キビシーなぁ相澤ぁ」
「絡むな、面倒くさい」
「ヒデー！」
ゲラゲラ笑うプレゼントマイクの缶と水の入ったコップを入れ替え、相澤はため息をついた。
隣で真面目に復習してる轟の方が、よっぽど大人だな。
当の本人はもう騒がしさに慣れたようで、黙々とノートにシャーペンを走らせていた。
一方、酔っぱらいたちに見送られて外に出た女子二人は、手を繋ぎながら歩いていた。
「寒いわねぇ」
『ね〜』
「今年は雪降るかしら」
『わたし、ゆきすきだよ！』
「ふふ。雪が降ったら、雪だるま作りましょ」
『うん！』
Aはハーッと白い息を吐き出し、楽しそうにしている。
そんなAを見ながら、ミッドナイトはマフラーを少し引き上げた。
特に行き先も決めていなかったが、なんとなく校舎の近くにやってきた。
ミッドナイトは、ランチラッシュはまだいたかしら……と考えて、食堂に向かうことにした。
「……大晦日なのに大変ね」
「あ、ミッドナイト先生、こんにちは！」
ランチラッシュは、いつものようにカウンターに立っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 282人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや(プロフ) - めいめいさん» めちゃくちゃ健康的で何よりです笑 これから結構怒涛の展開になる予定なので、ぜひぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです！！ (1月10日 22時) (
レス) @page26 id: 021ff3b1be (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - あ''ーマジ泣く これからの展開が楽しみ過ぎて夜しか眠れん (1月10日 22時) (レス) @page26 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - あやさん» 出来てよかったです！ (12月8日 17時) (レス) id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 冬美さん» 出来ました〜！！ 本当にありがとうございます…！！😭✨ (12月8日 14時) (レス) id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - たしか*←だったと思います！ (12月8日 10時) (レス) @page14 id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月木あや | 作成日時：2023年11月7日 20時
