59.話をしよう ページ13
No Side
部屋に戻った二人は、部屋の中央で正座をして向き合った。
Aの下には、少しでも目線を合わせるために座布団が敷いてある。
Aが膝の上でキュッと拳を握ったのを見ながら、焦凍は静かに切り出した。
「……俺は、年明け後にはインターンに行く」
『インターン？』
「それぞれプロヒーローに少しの間弟子入りして、直接教わるんだ。ヒーロー科じゃあ避けて通れねぇ道だ。もちろん、俺も行かなくちゃいけねぇ」
『しょうといなくなっちゃうってこと……？』
「……ああ」
『……おとうさんに“でしいり”するってこと……？』
「…………ああ」
そっか、とつぶやいたAの視線は、彼女の膝に落ちていた。
焦凍は一つ深呼吸をして、「でも」と続けた。
「Aのことを親父に言うつもりはねぇ。今のお前とあいつは完全に無関係だ。だから安心しろ」
『……うん』
「……それでもAが怖いって思うなら、俺はインターン先を変えることも考えてる」
Aはパッと顔を上げ、ブンブン首を振った。
『それはだめ！』
「……A、我慢はしないって約束しただろ？」
『でも、わたしのせいでしょうとががまんするのもちがうよ！』
焦凍は少し眉を下げた。
困ったように、悲しそうに。
「我慢なんかじゃねぇ。俺は、Aに怖い思いをせる方が嫌だ」
『……こわくないよ。しょうとかえってくるまでまってるから――』
「……いや」
ニコッと笑って言うAに、焦凍は言葉を選ぶように少し時間をかけて言った。
「あいつの事務所は、宿泊設備が整っている。つまり……インターンの間こっちには帰ってこねぇ」
『………………え』
消え入るような、ほとんど声になっていないような、そんな声だった。
笑顔が消えたAの目には、焦りと恐怖が混ざっていた。
焦凍はぐっと唇を噛み、Aの頭を撫でた。
「でも、近いとこに行けばここにも帰ってこられる――」
『……だめだよ、しょうと』
焦凍の言葉を遮ったAの目には、薄い膜が張っていた。
『それじゃ、だめだよ……わたし、しょうとの“あしかせ”になりたくない……』
「そんなことねぇ……！ 違う、Aは足枷なんかじゃねぇ！ 俺はッ――」
ポロポロ溢れる涙を指で拭きながら、焦凍も泣き出しそうな顔をしていた。
ずっとそう思わせていたのか……
そう思うと、どうしようもなく泣きたくなったのだ。
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あや(プロフ) - めいめいさん» めちゃくちゃ健康的で何よりです笑 これから結構怒涛の展開になる予定なので、ぜひぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです！！ (1月10日 22時) (
レス) @page26 id: 021ff3b1be (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - あ''ーマジ泣く これからの展開が楽しみ過ぎて夜しか眠れん (1月10日 22時) (レス) @page26 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - あやさん» 出来てよかったです！ (12月8日 17時) (レス) id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 冬美さん» 出来ました〜！！ 本当にありがとうございます…！！😭✨ (12月8日 14時) (レス) id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
冬美(プロフ) - たしか*←だったと思います！ (12月8日 10時) (レス) @page14 id: cc8a597751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月木あや | 作成日時：2023年11月7日 20時
