3 ページ8
ASide
しょうとはふくろをもってだいどころにいっちゃった。
わたしはソファにすわってしょうとをまつ。
すると、わたしとしょうとがおりたあとすぐにどっかにいったエレベーターがチンっていって、つんつんのおにいさんがでてきた。
わたしとめがあうと、なんだかすごくいやそうなかおをされた。
じつは、つんつんのおにいさんとはあんまりしゃべったことがない。
いつもいやそうなかおをしてて、ちょっとこわそう。
しょうとにも「あんまりあいつには近づくなよ」といわれてるし。
いやそうなかおはちょっとこわい。
おとうさんとおかあさんをおもいだしちゃうから。
でも、きょうのわたしはなんだかすごくゆうきがあった。
『つんつんのおにいさん！』
「……ぁ゙？」
う、やっぱりいやそうなかお。
でもこわがっちゃだめ。
はなせるかもしれないチャンスだからがんばらなきゃ……！
『あ、あのね、わたし、たいいくさいのどうがみたの。しょうとがみせてくれてね、つんつんのおにいさんもいたね！』
「……半分野郎、いつの見せてんだ」
『しょうととたたかってたのみたよ！ かっこよかった！』
「は？ 兄貴が負けて嫌じゃねぇのかよクソガキ」
『あ、しょうとまけちゃったのはかなしいけどね、つんつんのおにいさんつよかったから「そっかぁ」ってなった！』
「……そうかよ」
クソガキっていわれちゃったけど、はなせた！！
なんだ、あんまりこわくないや！
うれしくなってえへへ、ってわらった。
そしたら、つんつんのおにいさんはまたちょっといやそうなかおをして、ボソッといった。
「テメェ、俺のこと怖がってたんじゃねぇのかよ」
『うーん……こわいかおしてるからちょっとこわかったけどね、たいいくさいかっこよかったからたぶんいいひとだなっておもったの！』
「テメェのいい人の定義どうなってんだ」
はなでわらわれたけど、たいいくさいみたいにこわいかおしてどならないから、もしかしておはなしするのいやじゃないのかな。
でもなんでいやそうなかおしてたんだろう。
うーん、っておもってきいてみた。
『つんつんのおにいさんはわたしこわい？』
「はぁ？ どこがこえぇんだよ」
『でもおにいさん、いつもわたしとおはなしするのいやそうだったから、こわいのかなーっておもって』
「…………テメェが怖がってたからだろ」
……？
わたしがこわがってるからこわいの……？
どういうこと……？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 495人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月木あや | 作成日時：2023年7月19日 12時
