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『しょうと！ おわったよ！』
思ったよりも早くて驚いたが、確かにしっかり断捨離できている。
これね、かわいいけどもうつかわないの。これもおきにいりだけどね、ちょっとつかいにくいの。
感心した。
しっかり必要かどうかを判断できているのは、本当にすごいと思う。
偉いな、と頭を撫でてやると、嬉しそうにニコニコした。
「じゃあ、このビニール袋に捨てていこう。分別は大事だから、一緒にやるか」
『うん！』
燃えるゴミ、プラスチックゴミ、金属類、電池、紙ゴミ、など細かく分別するようにと飯田から言われたから、ビニール袋は7つくらいある。
たまに「これ何ゴミかわかるか」『えっとね、紙ゴミ！』「当たりだ」とクイズを出して飽きさせないように努力した。
そうしているうちに、5分くらいで分別が終わった。
『わたしのダンシャリおわった？』
「ああ。だいぶ早く終わったな、頑張ったな」
『えへへ、じゃああとおそうじだね！』
「掃除機は重いから、コロコロで部屋を綺麗にしてくれ」
『がってんしょうち！』
どこで覚えたんだ、なんて思いながらAに掃除のコロコロを渡す。
Aはこれが好きらしく、ニコニコしながら部屋の隅から隅まで掃除していく。
その間に机の上の物が片付き、一度雑巾でホコリを吹いてから戻していった。
驚いてAを見ると、壁に頭をぶつけていた。
「A大丈夫か！？」
『いたた……コロコロしてたらかべにぶつかっちゃった』
「たんこぶ出来てるな……一旦下行くか」
頷いたAの手を握って部屋を出ると、隣から瀬呂と砂藤も出てきていた。
どちらも俺たちを見て「あ、」とつぶやいた。
「さっきデカい音してたけど、何かあったか？」
「あぁ、Aが壁に頭をぶつけて……」
「え、Aちゃん大丈夫か！？」
『だいじょうぶだよ〜！』
「たんこぶが出来ていたから、一応冷やすもの持ってこようと思って出てきたんだ」
「なるほどな。いってらっしゃーい」
『いってきまーす！』
離している間も、Aは頭のコブを何度も擦っていた。
隣の二人が心配になるくらいの結構な音がしていたし、だいぶ痛むのだろう。
俺もAの手の上からたんこぶを擦った。
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※コロコロは「粘着カーペットクリーナー」というらしいです。初耳！
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作者名：月木あや | 作成日時：2023年7月19日 12時
