麦わらと少女 1 ページ24
No Side
気づいたら、落ちていた。
『わぁぁぁぁ！！？？』
散歩から帰ってきて、窓辺でうとうとしていたはずなのに。
海の上なんて、いるはずがないのに。
『えっ、うみ！？』
そう、海。
下を見れば、海、海、ただただ海。
空も海も真っ青で、今自分がどれくらいの高さにいるのかわからなくなってくる。
『え、えっ、どうしよう！？』
Aは焦っていた。
Aは海、むしろプールですら行ったことがない。
つまり、自分が泳げるのかすら把握していない。
その状態で海にドボンしたら、パニックになって溺れるのが目に見えている。
『おさかなさんのえさになっちゃう！』と血の気が引いた。
……その前に、水面に叩きつけられるのだが。
『しょうと〜〜〜〜！！！』
Aは半泣きで大好きな兄の名を叫ぶ。
もちろん、返事など無い。
Aはどんどん迫ってくる(と思われる)海面を見ながら深呼吸をした。
一度落ち着こう。
どうすれば助かるか。
このまま海面に叩きつけられれば致命傷になる。
どうにか着地(着水？)をしなければ、または最大限勢いを殺して飛び込まなければ、助かる道はない。
Aは、自分の個性をちゃんと使ったことがない。
使い方もキャパも強さもわからない。
だが、人間の本能とはすごいもので――
『こおりとゆき……！！』
考えるより先に身体が動いた。
落下するであろう場所に分厚い氷と、その上に出来る限りの厚さの雪を。
これなら、上手く雪がクッションになってくれるかもしれない。
一か八かだが、出来ることはこれしかない。
Aはいろいろ覚悟をしてギュッと唇を噛む。
――一瞬、視界の端に大きな帆船が写って、視界は真っ白になった。
『ッ……ゆきふわふわ〜！！』
イメージ通りふわふわの雪がクッションになり、Aは着地に成功した。
パニックの状態でほぼ初めてちゃんと使う個性を使いこなせたのは、才能と運と言う他ないだろう。
Aはホッとして、周りの雪を抱きしめた。
雪を少しずつ消していると、突然誰かの声がした。
「うわ、すっげー雪！！」
「これ、埋もれちゃってるんじゃないの！？ さっき落ちてた人ーッ、大丈夫ーッ！？」
Aは『わたしのこと……？』と首を傾げた。
――――――――――――――――――――
ONE PIECEクロスオーバー！
みんなの口調ほんとにわからん！
間違ってたら遠慮なく指摘お願いします！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 495人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月木あや | 作成日時：2023年7月19日 12時
