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屋外では、オールマイトVS爆豪、焦凍、緑谷を筆頭とした戦闘向きのメンバーの激しい攻防戦が繰り広げられていた。
オールマイトのパワーで、周りの建物が吹き飛ばされている。
期末試験で戦ったことのある緑谷と爆豪を除き、オールマイトと戦った経験がある者はいない。
一人でここまでの被害を出してしまえる彼に、正直劣勢と言わざるを得なかった。
焦凍は、本当は自分も救出チームになりたかった。
Aを、出来るだけ早く助けてやりたかった。
でも、“合理的に”考えて、攻撃力の高い自分がそっちに行くことはありえない。
それをわかっていたから、救出チームにはならなかった。
だが、オールマイトの足止めをしている間もずっと焦ってばかりいた。
「まだ見つからないのか……！ Aにも被害が及んでいたら……！！」
「ヘイヘイ轟少年、集中していなくていいのかい！？」
「くそッ……！！」
オールマイトの全力――とまではいかないが、超強力なパンチは焦凍の腹スレスレを通り、建物に強い衝撃を与えた。
一瞬、オールマイトの表情に焦りの色が映る。
ぐらりと建物が傾き――
「――Aッ！！！」
焦凍の視界の端。
5階の窓付近。
一つの小さい影が中に投げ出されていた。
一瞬、目が合ったような気がした。
Aが落ちていく光景が、脳に刻みつけるかのようにゆっくりゆっくりと流れていく。
焦凍の脳内はパニック状態だった。
個性を使うのも忘れ、ただ走り出す。
間に合うかも分からないが、全力で。
しかし、無情にもAの身体はどんどん地面と近づいて――
あ、これ、だめだ。
真っ白な頭の中、そう呟いた。
脚が異様に重い感覚になり、自分が走っているのかもわからなくなる。
やっぱり、訓練なんて参加させてやるべきじゃなかったんだよな。
やけに冷静に、うざったいほど淡々と、脳内の自分がそう言った――――
その瞬間、焦凍の真横を緑の閃光が追い越した。
「ッ……危、なかった……！！」
勢いのまま別のビルに飛び移った緑谷の腕には、しっかりとAが抱かれていた。
それと同時に、ブーッ！ とブザーが鳴り〈条件達成、訓練終了だ〉という相澤のアナウンスが響き渡った。
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作者名：月木あや | 作成日時：2023年7月19日 12時
