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『……はんにんさんかくれちゃったから、ひとりぼっちだなぁ』
犯人ことオールマイトは、相澤から事前に「緊張感が無くなるので、あんまり喋りすぎないでくださいね」と釘を刺されていたため、早々に姿を消した。
そのため、Aはある一室で一人ちょこんと座っていた。
手足も緩く縄で縛られており、立ち上がったり移動したりは出来ない。
部屋は物置部屋のようなところで、段ボールに囲まれていて薄暗い。
Aはボーッと段ボールに印刷された文字を眺めていた。
そのとき、〈始め〉という相澤のアナウンスが入った。
Aは『始まったから静かにしなきゃ……！』と口をきゅっと閉じた。
同時刻、A組側では、Aの捜索が始まった。
「皆さん！ こちらのインカムをお使いください！」
「ナイスヤオモモ！ 目撃情報があってからすぐ出入口は閉鎖されたんだよな？ じゃあまだショッピングモール内にいるだろ！ 俺たちは5人は防犯カメラ見てくるぜ！」
「ウチと障子はショッピングモールの中央から探す！」
「緑谷くん、私たちはどうしたらいい！？」
「麗日さんと常闇くんとかっちゃんは、空中からショッピングモール周辺の捜索をお願い！ 八百万さんと砂藤くんは1階、轟くんと葉隠さんは2階、飯田くんと口田くんは3階、瀬呂くんと蛙吹さんは4階、尾白くんと僕は5階を探そう！」
バッとみんなが散り散りになった。
それぞれチームごとに分担を決め、捜索に当たる。
しかし、数分後防犯カメラチームは頭を抱えた。
「……いない」
「録画にもどこにも全く写ってない……？」
「駐車場にもいなかったよ！」
「どういうことだ！？」
どこのチームからも発見の情報は入っていない。
どこにいるんだ、と思ったその時、突然爆豪が言った。
「お前ら、すぐ西隣のビル探せ！」
「でも目撃情報あったんだし……」
「駐車場の隙間から移動してンだよ！ 下に子どもの靴が落ちてた！」
「向こうのビルのベランダまで約10m……身体強化系の個性ならジャンプで余裕で届く……！ みんな、今すぐ移動して！」
緑谷の指示で全員が急いで隣のビルへ移動する。
予想通り、3階の窓が開いていた。
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作者名：月木あや | 作成日時：2023年7月19日 12時
