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『わぁっ！』
「かわいいお嬢さんにプレゼント〜♪ いちご味好きか？」
『うん……！』
「いちご味は俺も好きだ！ 美味いよな！」
『うんっ！ まほうのおにいさん、ありがとう！』
Aがニコッと笑いかけた瞬間、東魔からキューンと音がした。
「……この子爆弾並みにかわいいな」
『ばくだん……？』
「くぅッ……！！ 舌足らずなのが良い……！！」
「お前さんギリギリアウトだよ」
ハッと正気に戻った東魔は、いちご飴をコロコロ舐めるAを自分の隣に座らせた。
リカバリーガールとの話は……と言うAに、東魔は「なんのこと？」とニコニコしていた。
自己紹介し合ったり話したりしている中で、二人はどんどん仲良くなっていった。
寒いほうが好きだとか、シロクマが好きだとか(東魔は「かわいく見えて強い肉食動物だから」という理由)、大好きな兄がいることだとか。
「俺の兄貴は保育士なんだ！ テレキネシスっていう個性で、子どもたちを笑顔にしたり危険から守ったりするんだ！」
『てれてねしす』
「だけど、この世の中では何よりもヒーローが輝くんだ。ヒーローは注目される。だが保育士は注目なんてされない。でも、やってることに違いはないんだ。それを誇りに思ってる兄貴を、俺はオールマイトよりもどのヒーローよりも尊敬してる！」
『かっこいい……！』
「だろ！？ だから、俺は兄貴の誇りの弟になれるように、誰よりも輝くヒーローになってやるんだ！」
『まほうのおにいさんのおにいさんも、まほうのおにいさんもかっこいい！』
「おお、おにいさんばっかり出てきて混乱するな！」
自信満々に語っていた東魔は少し照れたようにAの頭を撫で、ぐっと拳を握った。
Aはそんな東魔が輝いているように見え、思わず口を開いた。
『まほうのおにいさん、わたしのおはなし、きいてくれる……？』
「ああ、もちろんだ！」
Aは緑谷や焦凍に言われたことや、エンデヴァーだということは伏せて家族の話も少しした。
すると、東魔はわっと泣き出してAを抱きしめた。
「そんなに酷い扱いを受けていたのか……！ 頑張ったな、偉いぞ！！ それでも家族を恨まないAちゃんは、誰よりも強い奴だ！！」
『えへへ……でもね、いまはやさしいしょうとといっしょにいられてすっごくしあわせだよ！』
「そうかそうか、良かったなぁ……それで、自分はヒーローになりたいのかわからない、だっけ？」
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作者名：月木あや | 作成日時：2023年7月19日 12時
